【久米田康治】さよなら絶望先生 159話【マガジン】

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■Q・師匠の様子がおかしいのです。■
僕は、僕の後に僕を越える新人が出ていない、と言われる業界最後の大物新人漫画家です。
 42歳の師匠のことで相談があります。もう10年以上の付き合いになりますが、
以前から、弟子である僕に対して、様々な幼稚な嫌がらせをしていました。
web日記を更新回数で僕に抜かれそうになると、空更新をして邪魔をしました。
頼んでもいないエンドカードを描かないと怒り、描くと描いた理由が気にくわないと怒ります。
僕の漫画を「あんなデッサンの狂った下手糞な絵」、「かわいい模様」などと揶揄しました。
とはいうものの、もともとそういう傾向のある人なので気にしていませんでした。
 しかし、最近はストーカー行為がエスカレートし、ちょっと違った方向になってきたので心配です。
僕と連絡を取ろうとしないのです。それも、わざわざ人づてに会いに来てくれと言われたので、
呼ばれたので出かけてみると、会ってくれません。
電話にもメールにも出てくれません。着信拒否なさっているようです。
これだけの異常行動をするのは統合失調症などの精神病ではと思いますが、いかがでしょうか?


■A・木木コミック局プロデューサー■
 事実があなたの質問の通りだとすれば、あなたのおっしゃるように、
あなたの師匠は統合失調症の可能性があると思います。しかし、解せないところがあります。
彼が統合失調症で、あなたに対して何らかの妄想を持っていると仮定しますと、
あなたの行動を監視しいちいちそれに合わせて嫌がらせをするという手の込んだ形は、
ちょっと考えにくい行動です。しかも、それにもかかわらず長い期間に渡って
その師匠が漫画家の仕事をこなしているとは想像しにくいところです。
 そして、「○○が自分の行動を監視し、いちいちそれに合わせて嫌がらせをする」
というのは、統合失調症の方の典型的な被害妄想の訴えでもあります。
 まさかとは思いますが、師匠というは、あなたの想像上の存在にすぎないのではないでしょうか。
もしそうだとすれば、あなた自身が統合失調症だと思われます。
 あるいは、あなたの師匠は過去に実在したかもしれません。

 しかし、現在は あなたの師匠は 既に死んでいる のでは無いでしょうか。

 こう考えると、最近の色々なこと、特に連絡が全く取れないのも納得がいきます。
あなたのおっしゃる師匠の嫌がらせは常軌を逸しており、実在の人物の行動とは思えません。
つまりあなたの受けているという嫌がらせは全てあなたの幻聴、幻視です。
 さらに私は個人的にあなたの師匠と思われる人物ではないかと思う人を知っています。
その方は先日お亡くなりになったのです。私はその葬式に出席し、弔辞も読みました。
あなたは葬式に出席していなかったようですが、それが間違いだったと思います。
葬式とはその人物が死んだことを確認する為の重要な儀式なのです。
 ストーカーの被害を受けた方にはよくあることなのですが、
ストーカーの死後も相手が生きていて自分に嫌がらせをするという幻覚に捕らわることがあります。
あなたの場合はこれに該当すると思われます。
 この症状の確実な治療法は、ストーカーが死んだことを確認することです。
実は、葬式に出席するのが一番良い治療法なのですが、
多くの場合ストーカーの被害者はストーカーとの関係を絶ちたがる為に出席しようとしません。
それは間違いであり、葬式はストーカーの死亡を確認する良い機会なのです。
 さて、あなたへの治療法ですが、まずは師匠のお墓参りをするべきだと思います。
師匠の墓と向き合い、彼の死を認識することが最善の治療だと思われます。