【本スレ】HUNTER×HUNTER part959【ちくわ】

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>>405
「それはどっちの?」は「それはどっちの"いく"なの?」って意味だと思う。
「行く」と「逝く」

主な理由は3つ。
第一に、"それ"という指示語の存在。
このセリフは「どっちの?」じゃなくて「"それは"どっちの?」となっている。
直前にゴンのセリフの中に「それ」が掛かる言葉があるということ。
直前のゴンのセリフは「ピトーはあそこ(左塔)にいる、行こう。」
だから、一般的に可能性のある候補は4つ。
「ピトー」「あそこ(左塔)」「いる」「行こう」
「ピトー」と「いる」は2種類の解釈が難しいから候補は「あそこ」と「いこう」。
つまりキルアのセリフは省略せずに書くと、

@「それはどっちの"あそこ"(塔)なの?」
A「それはどっちの"いく"なの?」

上のセリフを読んでみると分かると思うけど、あるいは文法的にアプローチすると、
@は若干不自然。
ゴンのセリフが「ピトーは塔にいる、行こう」なら@は
「それはどっちの塔なの?」でバシッと決まるんだけど、「あそこ」という
指示語だとイマイチ不整合だと思う。
よって「それはどっちの"いく"なの?」の方が自然であり、そっちの可能性が高まる。

第二に、「そんな状況にないことは勿論感じていた」という後に続く文の存在。
「そんな状況」とはどういう状況を指すのか?
結論から言うと、「冗談を言う状況」。
A解釈においては、「それはどっちの"いく"なの?」というセリフは冗談ととれることになる。
なぜなら、ゴンが"いこう"を「行こう」の意味で使ったのは明白だから。
@解釈だとこれもイマイチしっくりこない。
よってこれも「それはどっちの"いく"なの?」の方が自然であり、そっちの可能性が高まる。

第三に、「聞いてしまったら もう止められない・・・!!」という後に続く文の存在。
これはどちらかと言うと@解釈の方が日本語としては自然だと思う。
@解釈だと、「それはどっちの"塔(あそこ)"?」「左塔に決まってるでしょ!」
「そ、そりゃそうだよな、よし行こう!」
しかしA解釈だと後の文の意味もしっくりくる。
A解釈だと、「それはどっちの"いく"?」「生きる方の"行く"に決まってるでしょ!」
「そ、そりゃそうだよな、よし行こう!」
どっちでも「止められない」ことには変わりないけど、A解釈だとその後の文章、
「いっそぶち撒けてしまえば解決できること」が何を「ぶち撒ける」のかがハッキリする。
それは、「行った」ら「逝って」しまうということ。
つまり「ピトーと戦ったって俺達が勝てるわけがない。死んでしまう!」ということ。

「経験を重ねれば誰もが至る少し先の道」というのは、「死を恐れずに立ち向かう」こと。
ありきたりなフレーズだから、「誰もが至る」と形容されている。
キルアは「死を恐れずに立ち向かう」ことが出来ないという設定が、以
前この漫画にはあったと思うけど、キルアはこのシーンでは自身の死ではなく、
「大切なものを失うかも知れない恐怖」により、
結果的に「(大切なものの)死を恐れずに立ち向かう」ことが出来ずにいる。

そしてキルアはゴンに対して、憧れにも近い感情を抱いていた。
「お前はたまに眩し過ぎて直視できない」というような表現があった気がする。
おそらく戦闘スキルではまだキルアの方が圧倒的に上だろう、しかしキルアはゴンに憧れる。
「大切なのは実力ではなく、何事にも立ち向かう姿勢」
少年誌らしいテーマが作者の演出と、
「"逝く"のを恐れないゴンのはるか後方を躊躇った後進むキルアの姿」
が描写された4コマ目で表現されている。