ジャンプの人気作はだらだら長すぎる

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マンガチックにいこう!第090回
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm3061816

島本:島本和彦はですね、第一作目、炎の転校生でまぁまぁ良いところまでいって二作目でコケたんですね。
室田:自分で納得できなかったってことですかね。
島本:いや、コケたんです(笑)
室田:そんな…(笑)
島本:あの、漫画家には二作目でコケる人います。その気持ちを私が説明致しましょう。その真実を。
室田:はー
島本:一作目というのはですね、デビュー連載作っていうのかな?自分の全てを叩きつけられるんです。
    主人公は自分自身と思っても差し支えないし、ヒロインは自分の一番好きなタイプの女の子で
    自分の一番書きやすいタイプの女の子。ものすごく話がハマれば作りやすいです!
    で、自分を表現できやすいし、好きなもの全部ぶち込める。
    おのずと面白くなるし、自分もノリノリになる。
    自分は人気作家になったし、ファンレターは来るし、どんどん突き進めるぞーって感じになります。
室田:もう勝負しにいってるわけですからね。ここでまず名前知ってもらわないと。
島本:そうそう!で、一作目が何らかの理由で最終回で終わる。
    自分が次のに進みたいときもあるし、編集部が「これはこれで良いけど、また別のやろう」と言うときもあるし
    まぁ大体良い意味で終わります。さぁ、二作目ですよ(笑)
室田:ドキドキしますよね。
島本:二作目はね、いままで自分を表現していたものが、違うものを表現しなくちゃいけなくなるんです。
室田:出しつくしちゃったみたいな?
島本:そう!創作になるんです。今までのは創作ではなかったんです。
室田:それは島本先生の場合ですか?多くの漫画家さんにもですか?
島本:おそらく多くの…天才的にデビュー連載作がヒットする人はそういう傾向が多いです。
    その人自身が主人公で、もう全部世界観を支配してて、好き勝手やって、それがものすごくウケてた。
    二作目は同じ主人公は出せない。同じ世界観は出せない。じゃあどうするかっていうと、創るしかないんです。
    創作能力を問われるんです。だいたい若いうちにヒット飛ばした奴はコレ無いんです。
    要するに実力不足。これで戸惑います(笑)
    だから二つ連続で、面白いものが出せるのは難しいんです。逆にいえば。
    それをうすうす勘付いている人は、一作目を止めようとしないです。
室田:はー
島本:これは永遠にできる…私も一作目をもう一度書けって言われたら書けるんです。
    自分自身の一番面白い、好きなことをぶつけてるだけだから。
    あと一作目だけ許されてることとして、他人のアイデアを持ってくる、使っちゃう。
    自分の尊敬する人のアイデアを持ってきちゃったりして
    「ちょっとスミマセン。使っちゃいました〜」っていうの許される事態なんですよ。
    これが二作目になると創作を問われちゃうから、こういう設定でこういうキャラクターで
    こういう物語展開はどうでしょうかって、取材なんかしたりして、コケる場合多いよー。
    私も含めて他の人も「あ、コイツ二作目コレやっちゃった」っていうのが多いです。
    難しいんです、二作目のジンクスってのがあって。