【ガッシュ】雷句が小学館を提訴&裏話を暴露★79

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週刊文春
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「死ね、三流漫画家」
 朝青龍も真っ青のこんな罵詈雑言を若手漫画家に浴びせたのは、担当編集者だというから驚く。
人を人とも思わない漫画編集者の増長ぶりに、人気漫画家が待ったをかけた。

 「週刊少年サンデー」に連載された「金色のガッシュ!!」の作者、雷句誠氏(33)は今月六日、
作品のカラー原画を紛失されたとして同誌を発行する小学館を提訴した。原画には美術品の価値がある、
と主張する雷句氏だが、真の狙いは漫画編集者の仕事への姿勢を正すことだった。

 その雷句氏が、小誌の独占インタビューに応じた。
「編集者が打ち合わせに遅刻するのは日常茶飯事です。よかれと思って誤植を指摘したら、
逆恨みされてブツブツ文句を言われたこともあります」
01年1月から昨年12月までの約七年間の連載期間中、「ガッシュ」の担当になった編集者は計五人。
「遅刻がひどかった担当は、作家を何人かかけ持ちしていた。何の連絡もなしに1時間以上も遅れてきたときには、
『○○先生が予定にない打ち合わせをはじめた』と大御所の名前を持ち出して言い訳。指定された日時までに
必死で仕上げたカラー原稿を取りに来ないので電話をすると『いつでもいいだろ』って。頭に来て怒鳴り上げたら、
なぜかマスクをつけて現れて『すいません、風邪引いてまして』ですからね」

 打ち合わせで思いつきのストーリー展開をゴリ押しする編集者もいた。
「毎週18ページをこなすのは、かなりきつい作業です。それでも主人公のいい表情が描けると、
気持ちがスカッとするんです。それがつまらない展開を押し付けられると、何でこの場面でこのキャラは
こういう行動に出るんだ、何でこんなつまらない表情をするんだ、と一気に苦痛になってくる。後で分かったのですが、
この人は登場キャラクターの特徴を誤解していた。担当なのに漫画をちゃんと読んでなかったのです」

 編集者への不満がつのっていたこの時期、雷句氏はイライラから右拳で机を叩き付け、
手の骨を折って二ヶ月の休載を余儀なくされている。

 またある担当者は、自分が抱えていた新人漫画家を、雷句氏のアシスタントに連れて来た。ところが─。
「その編集者がアシスタントにかけてくる電話は、いつも怒鳴り声。寝ているときに電話を受けたら、
『何でてめえこんな時間に寝てるんだ』と言われたらしく、真剣に悩んでいました。
 冒頭の「死ね!」の標的は、かつて雷句氏のアシスタントを務めた若手漫画家だった。一本立ちして
初の週刊誌連載で、張り切っていた矢先の出来事だ。担当は同誌の名物編集者だと言う。

 この若手がふり返る。
「他にも作家を抱えていた担当者は『お前と打ち合わせしてる時間はねーんだよ。この通り描いとけ。』
と毎週ストーリーをファックスしてきた。展開がおかしくなったので一度『嫌です』と反発したら、このセリフです。
結局、収拾がつかなくなって、連載は不本意な形で終了しました」

 雷句氏は自身のブログでも、同誌を含めて小学館の仕事はは一切受けない、と絶縁宣言。ブログには
提訴から四日で八百通を超えるメールが届き、うち批判や抗議の内容のものは十数通だけという。

 提訴や絶縁宣言に対する小学館のコメントは、「こういう事態に至ったことについては大変遺憾。
すでに裁判所に訴えられて公的な場に出た以上は、『見解』を喋ることは差し控えたい」(広報室長)

 今年三月の「少年サンデー」創刊五十周年記念号には、大ベテラン漫画家が自身の過去の作品を
ふり返りながら、同誌を回顧する漫画を寄せている。
 そこには、若い編集者がデビュー作について「知らないっすね」などと関心なさそうにふるまい、
携帯ゲームに興じる姿が描かれていた。

(週刊文春6月19日号より引用して書き起こしました)