☆魔法先生ネギま!☆246時間目

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872名無しさんの次レスにご期待下さい
「ネギ坊主、早く退くでござる!この規模だと拙者でも間に合わないかも……?ネギ坊主?死ぬ気でござるか!?」
「……長瀬さんも、この熊も、どっちも死なせません!
 ラス・テル マ・スキル マギステル 来たれ雷精  風の精!!
 雷を纏いて吹きすさべ南洋の嵐 ヨウィス・テンペスタス・フルグランス!!!」


          ド          ン          !


ズゴゴゴゴゴ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

この世の物と思えない爆音と共に、ネギが今使える最高の魔法による衝撃波が、
全ての落石・落盤を吹き飛ばし、熊や楓だけでなく、周囲の森などもほぼ無傷のままに守り抜いていた……。

「…………。」
流石の楓も、言葉を失っていた。

「もうこれで大丈夫だよ。後はこの罠を外して血を止めるだけだから、もうちょっと大人しくしててね……。」

そういって熊を宥めながら、ネギは何の苦労もなく虎バサミをこじ開け、
傷痕にあまり得意ではない治癒魔法をかけて止血し、森に帰し、楓と共に再び岐路に着いた…。

そして、夕食時――――――

「流石に今回ばかりは拙者とて命が危なかったでござる…。恩に着るでござるよ、ネギ坊主。」
「そんなに畏まらなくてもいいですよ、長瀬さん……。
 僕にとっては、まだ生きていける命と、自分の生徒が、命を落としてしまうことのほうが辛いです。」
「ふふっ……本当に、優しいでござるなぁ、ネギ坊主。
 まだ拙者なら良いでござるが、その性格に付け込む輩がいたら尋常ではないことになりそうな位に。」
「ぎくっ」
「ん?何か今の台詞に心当たり有るのでござるか?
 ……冗談でござるよ。その優しさによって、拙者達が無事に進級出来たのでござるから。気を悪くしなくてもいいでござるよ。」
「あ、あはは…………ん?」
「どうしたでござるか……あ?」

がさっがさっがさっ…………

「おや、さっきの熊でござるな。」
「一体何をしにきたんでしょう…………あ、それは。」

ぼとっ

熊は、口にくわえていた蜂の巣をネギ達の前に差し出し、地面に置いた。
そして、嬉しそうに軽いうめき声を上げた後、走って山の奥深くに帰っていった……。

「なんで、あの熊、大事な自分の食料を僕達に差し出したんでしょう?傷が完治してないから自分で食べればいいのに…。」
「きっと、あの熊なりに、拙者等に恩義があるのでござろう。」
「恩義、ですか…。なんか、ちょっと悪い気がしますね……。」
「動物達にも、人間と同様、礼儀や社会があると聞いた事があるでござる。これは、向こうの礼儀と受け取って、頂いておくでござる…。」
「はい。……そろそろ、お風呂入って寝ましょうか?」