図書館島地下……ただ魔法書の存在を聞いて飛び出したため、案の定、ネギは道に迷っていた。
「あ――――、もうちょっと落ち着いて話聞いていればよかったかな……。
しかし……もう時間的に後戻りできない所まで来ちゃったし……えいっ!」
ぼーん!
「何とか……この空間に漂う魔法の力の違いを嗅ぎ分けながら探すしかないか。和泉さんの…ひいてはクラスの無事のために!」
立ち向かってくるモンスターを魔法でやり過ごしつつ魔法力の違いを察知しながらネギは目的の書の元に向かっていた。
「ん……この方向からはメルキセデクの書の気配がする……。
そして…?何か違う力が少しずれた所から感じる……。この気配かな…。
前と違うルートで今歩いてるからかな……佐々木さんの言うとおり確かに敵が出てきているし。
よし。とりあえずその気配の方向を目指してみるか…………。えーと、とりあえず罠にも気をつけないと……。」
カチ
ズズズズズ…………ガラガラガラガラ…………
「うわ――――――――!!そう思った矢先に発動させちゃった!!」
ネギ、力の気配の察知に気を取られすぎて、またしても罠を発動させてしまった。
「くっ!…………」
間に合わないかもと思いつつもバリアを張ろうとして身構えたその時…………
「ネギ先生――――――!!!!」
ひゅるるるるるるるるるる
ドガッ!
ばいーん!
がっしゃ――――ん!
聞き覚えのある声と共に、三つの球……サッカーボール、バスケットボール、新体操の球が後方から
ものすごい勢いで飛来し、ネギに降りかかる巨大な本棚を弾き飛ばし、持ち主の元に還っていった…。
そこには、やはり見慣れた仲良し三人組…先刻、四人で互いの秘密を共有しあった面子が、ネギを心配して追いかけてきていた。
「い、和泉さん……それに、佐々木さん、ゆーなさんまで……。」
「先生……ウチ自身の問題なのに、そこまで親身に考えてくれて行動起こしたのに、ウチ等だけ傍観なんてやってられまへん!」
「そうだよ……。立派な担任で、人に言えない凄い力持っているとはいえ、子供を見殺しになんて出来ないよ……。」
「私みたいなバカが心配させるのならともかく、ネギ君が心配させるのは本末転倒なんだからね…!」
「みんな……。皆を心配させないのも僕の役目なのに、逆に心配させてしまってすいません。」
「ええんよええんよ。そうやって、向こう見ずながらも、ウチらのために一所懸命やってきた所が、ウチら、気に入ってんねんから。」
「だからさ…今はそんな事で気を揉まないで、一緒に亜子を助けよう、ね。」
「あ、ありがとうございます!」
「そういえばネギ君、さっきの本までの地図持ってなかったよねー。……はい。」
「すいません、佐々木さん。
……それじゃ、心強い仲間が加わった所で、目的の本まで急ぎましょう!」
「ちょっとまって。行き先が判ったのはいいけど、これから先、
モンスター多いし、トラップも沢山あると思うんだけど……それを上手くやり過ごさないと、無駄に時間を喰らうだけと思うけど…。」
「裕奈。それなら私にいい考えがあるよー。
ネギ君ネギ君。ちょっと、こっち向いてくれる?」
「はい、なんでしょう佐々木さん?」
「そーれ、こちょこちょこちょ……!」