☆魔法先生ネギま!☆246時間目

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翻って元の時間軸。

「はぁはぁ……。ようやく着いた…。えっと、次は宮崎さんがいる閲覧室か……。
 えーと、なんでこんな変な道順……。あ、そっか。
 今から入れる地下ルートだと地表まで罠があるんだっけ。それを避けるために…。おっと、考えてる暇は無い。早く行かなきゃ!」


騒動の事を思い出し、魔法力のアシストを全開にしてそのルートを走り出すネギ。
しかし、期待と焦りからルートを失念して罠を発動させるが、それすらも軽くいなして地表に出、
いよいよのどかの居る閲覧室に辿り着いた。どうやら、屋上にあるオープンタイプの閲覧室、とゆうより空間である。そして……!




「み、宮崎さん……遅れてすみません…。」
「ネギせんせい……本当に、来てくれたですか…!」
「はい……宮崎さんの、本心を聞きに。そして、僕の本心を伝えに…!」
「判りました。今から、伝えます……。」


やはり、いつもの両手をかざすポーズに、両目を隠した前髪になっているが、
しゃんとした姿勢で、首もネギの方向を向いている事から、のどかの決意が真剣であることが窺えた……。


「私は…今の今まで、男の人と付き合った事がありません…。
 別に、毛嫌いをしている訳じゃないんです……。
 この学校の環境の御蔭で、あまり触れ合える事が無くて、
 その結果、男の人に慣れる事が出来なくて…そして今に…。
 でも、いつの日からか…とはいっても、つい最近ですが……、
 その人は、ここの空気に馴染んでいない時に、非力でありながらも、
 私を助けてくださいました…。あれがなかったら、多分…
 私は、この場所に、存在していなかったかも知れません……。
 それ以来、その人の存在が、そして、その人が振るった言葉が、
 その後の私の…そして今の私の、ささやかな勇気の源になっている気がします。
 その人が窮地に陥った時、私が必死で匿ったのも…
 その人から、勇気を貰っていたのかもしれません……。」
「………。」
「でもその一方で、散々その人から勇気を貰っていながら……
 中々お礼が言い出せなくて……そして、皆のように普通に触れ合えなくて…。
 結局自分の殻の中だけで自己完結の妄想に浸り、以前の私との堂々巡りをしている事もあります。
 余程の秘め事で無い限りは、自己完結の妄想も……虚しいだけですよね……。
 そうしていく内に、周りがその人との距離を縮め、自分はそのまんま。相対的に、格差が広がるばかり。」
「宮崎さん、自分を責めないで!」
「だから……差を広げられたくないから、虚しい自分になりたくないから、この場で…はっきり言います!」
「ネギせんせい……好きです。
 せんせいの存在が…言葉が…今までの私を支えてくれました。
 今朝…私の長所から……私は、知識と心で人を支える存在になる、と言いましたよね?
 今の私じゃまだ、未熟かもしれないですが……これからは、支えられるだけでなく、支えていきたいです…!」


一陣の風が吹き、ほんの数秒、のどかの片目が垣間見えた。
穏やかな彼女から想像も出来ない、鋭く真剣な眼差しが、この告白に嘘偽りが無い事の証人となっていた……。