☆魔法先生ネギま!☆246時間目

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「おい、誰にも見られてないだろうな……でしょうね、先生!?」
深夜の女子寮。千雨はキョロキョロと辺りを見回しながら少年を部屋に招き入れる。
「ハイッ! 大じょ……モガ」
「バッ! 声が大き……いですよ」
元気のいい返事に、あわててネギの口を左手でふさぎ、右手の人差し指を立て「しーっ」とジェスチャー
をすると、ネギはしゅんとなった。
「ご、ごめんなさい」
「い、いいから早く入れ……入ってください」
「ハ、ハイ」
もう一度外を見て、誰もいないのを確認すると、千雨はふーっと息をつき、静かに扉を閉めた。
まったくこれだからガキって奴は。どうしてこんな奴に私は……。
「あの、千雨さん?」
「なっ、なななっ、何だ!? ……ですか?」
いかんいかん。落ち着け。こんなガキにペースを乱されてどうする。しっかりしろ、自分……。
平静を装いながら千雨は振り返った。しかし、ネギの手に握られたものを見て、なけなしの冷静さも一気
に吹き飛んでしまった。ネギがにっこりと笑って、それを突き出す。
「今日はこれを着てくださいね、ちうさん」
「なっ……何だそりゃ!?」
それは紺色の、今では使われていないタイプのスクール水着であった。中央に縫い付けられた白いゼッケ
ンには、黒の太いマジックででかでかと、「3‐A ちう」と書かれている……。
「これは、スク……」
「知ってるよ! じゃなくて、何で私がこんなもん着なきゃなんねーんだ!」
「えーっ、だって、こないだ『何でも好きな服着てやる』って言ったじゃないですか」
「うっ……」
ああ、言ったさ。だが、よりにもよって、何故スク水なんだよ! 誰だ、こいつにいらん知恵つけさせた
のは!?
悶々とする千雨に、ネギはニコニコしながら「ハイッ」とスク水を渡す。引っ込めるつもりはないらしい。
千雨は観念してそれを受け取った。


「……仕方ねーな」
不機嫌そうな顔でスク水を引ったくると、ネギは心から嬉しそうに、
「ありがとうございます、ちうさん!」
かわいらしい笑顔を真っ正面に向けられて、ついつい頬がゆるむ千雨。
……はっ、何を考えてるんだ。そんなことだから、いつも最後は押し切られるんだ。あーっ、くそっ!
「……こ、今回だけだからな。……な、何見てんだよ! あっち向け、バカ!」
「すすすっ、すいませんっ!」
制服を脱ぎ始めても、ネギがじっと見つめ続けているのに気付き、あわてて向こうを向かせる。ネギは耳
まで真っ赤になりながら、後ろを向いて目を手で覆った。
「見たら殺すからな!」
目を閉じたネギの耳に、すっ、すすっ、と衣擦れの音が聞こえる。ふぁさっ、と今落ちたのは上着かな?
すると今脱いでいるのは下着、今振り返ったら一糸まとわぬ姿の……。
「見るなよ!」
「ハ、ハイッ」
よく考えたら、千雨の裸を見るのは別に初めてでは無いのだが、目を閉じた後ろで服を脱いでいる……
そのシチュエーションを想像すると、ネギは無性にドキドキしてきた。