「……え、夕映っ」
ハッと気が付き目を開けると、のどかの顔が見えた。
「もういいよ、夕映」
指差された床を見下ろすと、ハルナが物凄い形相で倒れていた。目玉は飛び出し、口から舌が飛び出して
いる。首には爪でかきむしった赤い跡が何本も付いていた。
「大丈夫、うまくいったから」
「のどか……私、私はっ」
「大丈夫よ、夕映……」
震える夕映を、のどかは優しく抱き締めた。ぬくもりが体に染み、震えが止まっていく。二人は見つめ合
い、どちらからともなく唇を重ねた。そのまま、お互いの体をまさぐり、服を剥いでいく。
(何をやっているですか、自分)
夕映の頭の奥で、これは異常だと警告を発するのが聞こえた。異常で何が悪い。何でもいい、今はこの手
に残る嫌な感触、さっきの出来事を忘れさせてくれるのなら……。
やがて二人は下着だけの姿となった。のどかはゆっくりと夕映を押し倒し、上に覆いかぶさると、夕映の
ブラジャーを外し始めた。夕映も、のどかのブラジャーに手を伸ばす。二人の白くなだらかな胸を覆い隠す
ものが取り払われた。のどかはしばしの間、夕映の裸を見つめ、そして恐る恐る、その小さなふくらみに手
を触れた。
「あ……」
夕映は思わず声が漏れた。恥ずかしげに頬を染めると、お返しとばかりにのどかの胸を撫でる。今度はの
どかが嬌声を上げた。のどかは夕映と胸を揉み合いながら、片手を夕映の下半身に伸ばし、パンティの中に
指を滑り込ませた。
「あっ、だめですっ」
かすかな理性が姿を見せるが、のどかの指使いに一瞬で吹き飛んでしまった。夕映の喘ぎ声が大きくなる。
「あっ、ああっ、のどかぁっ」
のどかは夕映を弄びながら、反対の手を自分の股間に当て、激しく動かし始めた。
「ゆえっ、ゆえぇっ」
「のどかっ、のどかぁっ」
ここでいったん動きを止め、のどかが身を起こした。突然の中断に、夕映は不満そうにのどかを見上げる。
のどかは夕映が何か言う前に、その唇を自分の唇で塞ぎ、その体勢のまま夕映のパンティを脱がせた。次に、
自分のパンティも脱ぎ捨てると、夕映の脚を開かせる。そして、夕映を抱き寄せ、片足にまたがるように座
り込むと、腰を密着させてお互いの股間を擦り合わせた。粘膜が触れ合い、ぴちゃぴちゃと音が鳴る。
「んんんーっ!」
まだ唇は重ねたままだ。舌と舌が絡み合う。互いの唾液を吸い合い、胸を押しつけ合い、最も敏感な部分が繋がり合う。腹から尻に
かけてが、まるで漏らしたかのようにぐっしょり濡れた。
やがて、夕映が限界に達した。びくっと一度、身体を大きく震わすと、唇を離して絶叫し、弓なりに反り
返った。細かく痙攣する夕映。のどかはますます激しく腰を振った。ついに限界を越え、夕映の尿道から液
体が噴出した。液体はのどかの敏感な部分を直撃して飛び散り、霧のように舞った。その衝撃にのどかも限
界に達し、仰け反って悲鳴を上げた。意識が白に包まれ、全身の力が抜けていく……。
先に目を覚ましたのはのどかだった。身を起こし、安らかな寝息を立てる夕映を見下ろすと、のどかは、
夕映を起こさぬよう慎重に馬乗りになった。そして、その首に手をかけ――、
「……っ、ごめんね、夕映っ!」
しばしためらいながらも、ついに意を決し、力を込めた。夕映が目を覚ましてもがく。その手がのどかの
腕を握り、爪が食い込んだ。激しい痛みを感じながらも、決してのどかは力を緩めなかった。
「ごめんねっ、ごめんねっ!」
気が付くと、腕をつかむ力を感じなくなっていた。恐る恐る、力を抜き、首から手を離す。
夕映は、もう動いていなかった。
見開いた目をそっと撫で、まぶたを閉じてやると、のどかは無性に悲しくなった。
「……うっ、うぇっ、うぇぇぇぇっ!」
涙があふれ、頬をつたう。のどかは物言わぬ夕映の頭を胸に抱き締め、泣きじゃくった。