【MiXiM♀12】褒め殺され

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バレシメ♀12×♂13=156

 古い漫画では割とよく見掛けた様な気はしますが、幼馴染が家の窓から今晩はする場面。
 現行の建築基準法的に可能なのかどうかという疑問を残しつつ、竹輪が松の部屋にスルリと入って参ります。
 「おう松。部屋の模様替えをやるから、嵩張る荷物をこっちで預かってくんねぇ」
 「何でぇ藪から棒に。ちったぁ前置きってモノを大事にしたらどうだい――おうおう、これは又随分と不細工な置物じゃねぇか。
これで女だってんだから臍が茶釜を溶かしちまわぁ。そう言や手前、いい加減三角旗を円にして壁に飾るのは止めとけよ」
 「何だとコン畜生。黙って聞いてりゃぁ付け上がりやがって。手前自分の趣味が世界標準だとでも思ってンのか。
妄言も大概にしとかんと阿蘇の火口に突き落とすぞ唐変木が」
 と罵り合いの末の大立ち回りを始めました。しかし双方決着がつかず、翌日級友に判定を頼む運びとなった次第であります。

 「さて皆さんお立会い。遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ。只今より始まるは馬鹿と阿呆の知恵比べ。もとい
竹輪と松の趣味比べ。どちらが本物の剽げものか、皆さんとくと御覧じろ」
 そう言って司会者の掲げたるは携帯電話の根付。片方は子犬、もう片方は麻雀牌でありました。
 「まぁ松公らしいと言えば松公らしいな雀牌は」
 「女の子らしくていいじゃないの、子犬」
 と、皆さん勘違いしてますが実は逆。松公が子犬、竹輪が雀牌であります。こうした調子で次々と帽子やら上着やらが掲げ
られていきましたが、まぁ殆どが「持ち主逆じゃないの?」と小首を傾げたくなる代物。最期の獲物はお気に入りの人形と銘打た
れ、取り出されたるはキワモノ趣味もここに極まれりと云った按配の等身大筋肉質男人形と、愛らしく変形表現された熊。
 可愛らしい女の子と際物趣味という格差が堪らんよねと言う、一般人の感覚では許容し難い発言の元竹輪の勝利と相成りま
した。
 「不細工な男が可愛らしい小物を持ってても気味悪いだけだが、逆に美女ならば加虐趣味でも許容される」
 等と少し見当外れの意見で場を纏める竹と梅ですが、勿論の事松公は納まりません。しかしそこへ一人の少女が現れて、
 「この人形頂いてもよろしいでしょうか」
 と傍若無人な発言。世間の己への風評を嘆く松は、どうせもう一つ家に有るからと自棄になって啖呵を切る訳で御座いますね。
 これに頬を赤らめた少女の絵で、この話は幕となります。お後が宜しい様で――。

 と、落語風にした所で落ちません。1話で主人公があのまま落ちてたら良かったのに。


バレシメ・完