339 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:
3−Aクラス委員長、出席番号29番雪広あやかは拳を強く握りしめ、無言で決意を新たにする。
「搾精当番」という制度が誕生して以来、彼女は辛酸を舐めさせられ続けてきた。
愛しい子供先生と「教育」という大義名分の元に堂々と、
──性的に──触れ合うことが出来るという…素敵な、じゃなくて素敵な…、じゃなくてはしたない制度。
…正直、自分以外の生徒が子供先生と肉体関係を持つということに激しい憤りを覚えるあやかであったが、
それでも、ショタコンと公に言われる割には貞操観念が強く、
また、ネギに弟の影を重ねて見てしまうときがあることもあってなかなか一歩を踏み出せないでいたのだ。
…たとえ規則として手以外は使用してはいけないとしても。
あやかはネギと邪魔者なく触れ合えるということに至福を感じていた。
背中に花を咲かせて、喜びにくるくると回転する。
その様子を教室で見ていたこのかと明日菜が、若干身の危険を感じて震えるネギの肩に手を置く。
「…いんちょ、テンション高いなー」
「……ま、今日はしょうがないか……。ネギ、本当に危なくなったら呼びなさいよ?」
「は、はい…」
「さ、さささささぁ! ネギ先生!! それでは参りましょうかッ!?」
大分ヤバめなテンションでネギの手を取ると、お嬢様にあるまじき大股で鼻息荒く教室を後にする。
ネギの心境は、どなどなと屠殺場に引かれていく子牛のようだった。
──ここで雪広あやかは考える。
──今まで数々のクラスメイトがネギに対して行ってきた搾精当番の所業を。
──原則は「手」で搾精を行うということ。
──だが、伝え聞く情報によると「それ以外のファクター」に力を割く生徒が多いのだという。
──巫女服、ナース服、水着、レオタード…。
──それぞれが、それぞれの特色を活かした搾精であったという。
──負ける訳にはいかない。
──雪広あやかが最も得意とすることで、確実に精を搾りとって差し上げなくては──!!
「……い、いいんちょさん、どこに行くんですか?」
ズンズンと歩くあやかに手を引かれるネギは、不安に思い問う。
校舎の出口とは逆方向に進んでいるのだ。ここから先へ行くと、屋上に出てしまう。
──と、くるりと振り返ったあやかがにっこりと笑った。
「ご心配には及びませんわ、ネギ先生。
私、雪広あやかが──最高の場所へお連れいたします」
宣言と共に、屋上への扉を開け放つ。
──そこには、キュンキュンキュン……とプロペラを回す、ヘリコプターの姿があった。
バババババ……、と爆音を響かせて、ヘリコプターが麻帆良を離れていく。
窓に手をつけ、ネギは目を輝かせて眼下の景色を眺めていた。
「わー…!」
「お喜びいただけたようでなによりですわ」
小さくなっていく町並み。いつも杖で飛んでいるのとは違う爽快感。
男の子はいつの日も、カッコいい乗り物が好きなのである。
無邪気にはしゃぐネギの姿に眼を細めていたあやかは、操縦手の合図で目的地への到達を知った。