ぐにゅり──。
「んふ──っ!?」
エヴァンジェリンの汚れていない方の脚が、ネギの立ち上がり始めたペニスに伸ばされる。
ごりごりと睾丸を転がすように弄び始めた。
「ご奉仕も大好きか。マゾ先生?」
口の中は自分の精液でいっぱい。息をつくことも出来ないネギは、鼻息だけを荒くしながら唸りをあげる。
エヴァンジェリンに向ける視線は、悦楽に溺れつつも拒もうとするように揺らぐ。
「ん…、んぅっ、んぅ──……!」
「まるで犬コロだな。唸りながらばたばたするしか出来んとは」
蔑みの言葉を浴びせるたびに、ネギ自身は固さを増していく。
それが面白くて仕方ないという風情のエヴァンジェリン。
片手を振って、ネギの様子を気にしながらもエヴァンジェリンの脚を清めることを止めない茶々丸を制止する。
茶々丸が顔を上げた。
声を出さない様子から、彼女もネギと同じように口の中が精液でいっぱいだと判る。
──ただ、こちらはネギのように生理的に飲めないという訳ではなく。
食事という形で栄養を摂取出来るようには造られていない為、口内にため込むしかないのであった。
口を閉じたまま、視線で主人を伺う茶々丸。
その視線に目を細めて応え、眼下で喘ぐネギに言葉をかけた。
「飲めないか、ぼーや? 仕方ないな……。ほら、顔を上げろ」
顎に手を添えて、くい、と上を向かせる。
躊躇いなく近づいて来るエヴァンジェリンの口唇は、そのままネギの口に重ねられた。
「む……っ!? んむぅ……!!」
「ん……」
くちゅ、ちゅく、ちゅ……。
唾液に精液が混ぜられて少しだけ粘度が弱くなる。
エヴァンジェリンはネギの口内の精液を舐め取り、啜り取りながら、蹂躙を開始した。
精液をローション代わりにしての口内愛撫。
縦横無尽に動き回る舌は舌を絡め取るだけでなく、歯茎を、口内粘膜をも愛撫の対象に取る。
ネギの後頭部を押さえ、より深く、より深く舌を差し込んだ。
「ふぐぅ……んんっ!」
ぐちゅっ、ぐちゅぐちゅぐちゅ……!!
口の中すらも性感帯になってしまっているのか、口を塞がれながらもネギは悦びの悲鳴をあげた。
少しだけ口と口の結合が解かれた。ぶくぶく、と口の端から精液が溢れ、泡になってこぼれ落ちようとする。
――そこへ、
「ひふえぃひまふ(失礼します)」
横からその泡立つ精液を吸い取り口の中へ返すように、口の中に精液が溜まっているために舌足らずな喋り方で。
茶々丸がエヴァンジェリンとネギの間へと顔を差し込ませてきた。
突如割り込んできた従者に驚きの目を向けるが、すぐに口の端を吊り上げる笑いを浮かべるとエヴァンジェリンは身体を横へずらした。
念話を飛ばし、からかってみる。
『どうした茶々丸。仲間はずれは悔しかったか?』
『…………いえ』
『ほう? じゃあなんで割り込んできたんだ?』
『――――……マスターが精を摂取することで魔力の回復を図ろうとしていると判断しました』
『なるほど。それで、自分の口の中のも…ということか?』
『はい』
『理屈は通ってるな……、ふっ。そういうことにしておいてやろうか』
『……』
『ほら、ぼーやがお待ちかねだ。せいぜい離れられないように口づけで虜にしておけ?』
僅か数秒で交わされた念話の後、激しさを増す口腔性交。
互いが相手の唾液を吸い合い、自らの唾液を与え――そして快楽を貪りあった。