「熱っ……、はは、いっぱい出したじゃないか。すごいぞこれは」
どろどろになった片足を上げたままぶらぶらさせて笑う。
そのまま体重を後ろにかけて、ソファに座り込んだ。
片足は、ネギに向けて持ち上げたまま。
射精の余韻に浸りながらはぁはぁと息をつくネギ。
(お……終わった……。気持ちよかったけど、つ、疲れ、たぁ……)
目を閉じて息を整えようとしているので、ソファに座ったエヴァンジェリンの笑みに気付くことはなかった。
やがて、ネギが一息ついて目を開けると。
ソファに座ったエヴァンジェリンが、精液まみれの片足を上げて腕を組んでいた。
「随分と悠長に休んでいたものだな?」
その表情は、邪悪な愉悦。
「まだ終わってないんだぞ、ぼーや」
「…え……っ!?」
つい、と掲げた足をネギの鼻先に突きつける。
「この汚れた脚、どうしてくれる? 今日は断水だと言ったのはぼーやだろうに。
あーあ、べとべとだ。このままじゃあ気持ち悪くて眠れんな」
意味ありげに視線を送る。ネギは当惑しながら問い返した。
「…ごめんなさい師匠……。あの、それで、ぼ…僕は、どうしたら……」
その言葉を聞き出して、エヴァンジェリンはにたり、と笑った。
「水が使えないからな。ぼーや自身に清めてもらうぞ? ――――その舌と口で、丁寧にな」
「……っっ!?」
「できんとは言わせんぞ。自分の尻拭いは自分でしろ。
ぬめりと臭いが完全に無くなるまで、ここから帰してはやらんからな?
…………とはいえ、ぼーや一人では流石に酷か。茶々丸、お前も手伝ってやれ」
「――――はい、マスター」
かくして、従者と弟子による口舌奉仕が、始まる。
ぺちゃ、ぺちゃ、ぺちゃ……。
淫猥な音のユニゾンが響く。
白く細い脚を這うのは二枚の赤い舌。
脚をコーティングするように射精されたネギの精液を丹念に舐めとっていく。
片方──ネギ・スプリングフィールドは目を強くつぶり、ときどき青臭い臭いにえづきそうになりながらも必死に舌を動かし。
もう片方──絡繰茶々丸は無表情で事務的に舐めとっているかに見えるが、
チラチラと共に舌を這わせる子供に視線を向けているのが見て取れた。
彼女の表情を読み取れる人物ならば、実に落ち着きのない様子に見えただろう。
ちゅ、ちゅぱ、くちゅ……。
「っ……、はぁ、は…」
ネギが、口の中に溜まった精液に堪えきれずに脚から口を離す。
「っぅ…うぇ……」
自分で出したものとはいえ、その性臭に吐き気を催す。
その姿を、茶々丸が心配そうに眺めていた。
(きっと、吐いたら怒られちゃう……)
一息に飲み下そうとするが、どろどろねばねばとする精液はそう簡単に喉から先へ行ってはくれない。
飲み込もうとするたびに息が苦しく、惨めな気持ちになった。
脚を舐めさせられていることもさることながら、自分のペニスから出たものを自分で始末させられることに。
そして、その感情が──力なく垂れ下がっていたネギのペニスを再びもたげさせた。