厳しすぎたか――いや、しっかりこういうことは教えておかないと――と思案して、
どうしてそんな母親のような考えをしなくてはいけないのかと内心で苦笑した。
「……まあ、父親の話に嬉しがるのは判らないでもないがな……。次からは気をつけろよ」
おもむろに立ち上がると、うつむくネギの頭をぽんぽんと軽く叩いてやる。
反射的に見上げる瞳にほんの一瞬だけ優しげな表情を見せて――再びソファに座り込んだ。
脚を伸ばして、まだ赤みの残るネギのペニススレスレまで近づける。
挑発的に笑みを浮かべ、
「――さぁ、ここからが本番だ。剥けたんだからな、今までよりも――キツいことになるぞ?」
「ひぃ…ぅ、あぅっ……!!」
包皮の剥けたばかり、まだ外気に触れて間もない亀頭に触れる柔らかい足先。
いつもネギの顔を踏むときのような「ただ踏む」踏み方ではなく、足の五指でネギのペニスを握りこむ。
まるで手の如く、足でしごきたてた。
「ふあっ、っ、ぅぐ……はっ」
一擦りごとにびくびくと背筋に電流が走るような衝撃が打ち付けられる。
指の腹で撫で付けたかと思うと、親指の爪で強めにひっかきにかかる。
――爪でつけられたアトを優しげにこすりつけて、ネギが喘ぐのを確認してから一気に圧力をかける。
「ひぎっ……!? んぅぅううっ!!」
ひりつく痛みは麻痺するヒマもなく、そのままやがて快楽にすり変わっていった。
喉からもれる悲鳴にも熱さが混じる。目の焦点が合わなくなってくる。
「はっ、はぁ、ふぁ……っうう!!」
「ふはは、ぼーや。やっぱりこっちの才能があるよ。
いつも叱るときに顔を踏みつけていたときに思ってたんだ。
少しだけど下が膨らんでいただろう? ぼーやはマゾなんだよ、それも極上のな!」
被虐嗜好者――マゾヒスト――であると断じられる。
「そ、そんなっ、こと……ない、です……!」
否定の言葉も弱い。それは自分の内側を曝け出されたことを無意識に感じてのことか。
「否定しなくてもいいさ。いじめられて気持ちいいだろう?
クラスの奴らにいじくり回されるのも快感なんじゃないのか?」
「ちっ、ちがっ…、っあん!!」
しかし、もし強く否定したとしても今の状況に変化はなかっただろう。
快楽に流されながらも必死に自分を律しようとするネギに、エヴァンジェリンはそろそろ頃合と判断する。
「――よし、茶々丸。手でぼーやのちんちんを押さえろ。思いっきり踏み潰して、果てさせてやる」
「……あ、はい、判りました」
ネギの痴態をぼうっと見つめて(録画して)いたためか、一瞬反応が遅れた。
慌ててネギのペニスに背後から手を添えるのを確認してから、エヴァンジェリンはゆっくりと立ち上がった。
『踏み潰す』という不穏な言葉。
立ち上がったエヴァンジェリンの顔は、喜色満面だった。ネギの顔が一気に青ざめる。
「だ、ダメですっ、つぶさない下さい――っ!!」
「大丈夫だ、力加減は心得ている。潰れやしないさ。――――たぶん」
「多分って――――!?」
僅かなやりとりの後。エヴァンジェリンの脚が真上から、振り下ろされた。
ぐりっ――――!!!!
まるでそれは下段かかと蹴りのような。必殺性の高い一撃だった。
ペニスと睾丸を同時に踏み潰しながら、亀頭を指先で摘む。かかとを横に振って睾丸の両方を圧迫する。
使い物にならなくなることがないように配慮しながら、しかしありったけの力を込めて。
「あ――――っ――……!!」
どびゅ、びゅる、びゅ――――!!
喘ぐ暇もなく、悲鳴と共にネギのペニスはその一撃で臨界を迎えた。
首を反らすと同時にペニスの先がエヴァンジェリンの足の裏からはずれ、精液を撒き散らす。
中空に放たれた精液は、エヴァンジェリンの片足を太腿から足先にかけてべったりと汚した。