「…か、返して下さい……」
「だーめ! そしたら先生、感じにくくなっちゃうじゃない? しばらくおあずけー♪」
桜子がくるくると、バトンでも回すかのようにトランクスを指先で回して見せる。
肌着は既に誰かに着服されてしまっているのか、どこにも見あたらない。
――ハサミが落ちていて切れ端が散乱しているのを見るに、所有者は多そうだった。
「ちぇー、ネギ先生ほかの授業なんてほっといて3−Aにいればいいのになー」
「仕方ないでござる。ネギ坊主の担当教科は英語であるゆえに」
ぶすっとした顔をする風香をなだめる楓。
さすがに、一日の仕事がある教師をずっと拘束しておくわけにもいかない──、
生徒たちがそういう方向で話をしていることに、ネギはわずかに安堵した。
ひょっとしたら別の授業中は、ずっとロッカーにでも監禁されるのではないか、と心配していたのだ。
──否、心配というよりは期待か妄想の方が正しいかもしれなかった。
ネギのペニスは、そんな想像をしている最中ずっとひくついていたのだから。
休み時間の間も生徒たちはネギを嬲り続けた。
まずはそれまでずっと沈黙を守っていた龍宮真名が進み出て、靴を履いたままでスラックスの上からネギの股間を踏み潰していく。
ぎゅりっ――!!
「ひ…ぎっ!! 痛っ、つ、つぶれちゃう――っ!!」
ネギのあげる悲鳴を無視して、絶妙の力加減でぐりゅぐりゅと睾丸ごと揉むように踏んでいった。
先ほどエヴァンジェリンにされたそれよりも、はるかに強く、まるで本気でつぶそうとしているかのように。
――それは彼女が、仕事上必要で覚えた攻撃の一部の現われか。
そうであるにしろないにしろ、ネギはその強さに恐怖を覚え――また、それより強く快楽に翻弄された。
ぐりぃっ――!!
「―――っっ!!」
ぶびゅ、っびゅ、びゅくっ――!!
スラックスの下、更にスパッツの中でまたも精を放つネギ。
真名は靴を隔てた上からでもなお射精の脈動を感じて、感心したように目を細める。
そして僅かに笑みを浮かべると、くるりと踵を返した。
――自らの仕事は終わったと言わんばかりに。
真名が離れると同時に、再び群がる3−A一同。
普段から無口であまり人とも関わらないザジ・レニーディですら、その褐色の肌を僅かに朱に染めてネギの股間に手を伸ばしていた。
これほどに射精をしても、一向にネギのペニスは萎える気配が無かった。
休み時間が終わる直前にようやく開放されたネギは、よろよろと廊下を歩いていた。
次の時間は授業がなくてよかった――、とネギは一人ごちた。
職員用トイレへ向けて、重い足を引きずるように歩みを進める。
(……はや、く…、このスパッツを……脱がなきゃ……!)