☆魔法先生ネギま!☆213時間目

このエントリーをはてなブックマークに追加
60名無しさんの次レスにご期待下さい
「待つです」
 とそこに、盛りあがりに冷水をかけるような夕映の冷静な声。


 夕映は自分を見つめる多くの瞳を、意に介した風もなく言った。
「同じ部屋から複数のエントリーをしても意味がありません。出場者は一部屋一人にしないと」
 皆の口から、「おー」という同意と感心の吐息が漏れた。ネギと明日菜は浴場の床に突っ伏しているが、誰も気づかない。
 女の子たちはそれぞれ部屋ごとに別れ、誰を出すかも含めて作戦会議がはじまった。


 のどか・ハルナ・夕映班。
「え……私が出るんですか?」
 と、両拳を顎に押し当てて驚くのどか。
 彼女はタオルで覆った自分の胸──足首が障害物無しに見える──を見下ろした後、泣きそうな顔で首を振った。
「私じゃなくてハルナさん出場して下さい」
「バカァッ」
「はふぅっ!?」
 ぺちーん、というあまり迫力の無い音で、ハルナはのどかに平手打ちをした。
「あなたネギ先生のこと気になってるんでしょ!? ネギ先生とスキンシップするチャンスじゃない!」
「そうです。それにこういうことはのどか自身の手……まあ今回は手というか胸ですが……とにかく自分でゲットするものです」
 と、夕映もハルナの後に続ける。
 親友二人の応援を受け、のどかは唇をきっと結んでうなずいた。


 桜子・釘宮・柿崎班。
「えーと、それじゃうちらの代表は桜子でいいの?」
 と釘宮が言うと、桜子は思案顔でしばらく腕を組んでいたが、やがて首を振った。
「あたしはやっぱり賭けに集中したいからやめとくわ」
「ギャンブラーめ……じゃあどうしよう」
 何か取り決めを決めるのだろうか、朝倉の元へと向かう桜子を横目で見ながら、釘宮がつぶやくように言う。
 そこに、柿崎が目を妖しく光らせながら右手をしゅっと顔の横に挙げた。
「美砂……あんた彼氏いるんでしょうが……」
 じっとりとした目で睨む釘宮に、柿崎は慌てたように言う。
「バカ、少年の相手をしてあげるってのにロマンがあるのよ」


 鳴滝姉妹・楓組。
「それじゃあ楓姉、頼んだよ!」
「楓姉、とても中学生とは思えないもん、安心です!」
 まるでコピー機を使ったみたいにそっくりな表情で拳を握り締めながら言う鳴滝姉妹。
 一方、出場を任された楓は、いつものように糸のように細い目をして、何を考えているのかよくわからない表情で
「あいあい」
 と応えた。
 
 チャオ・クー班。
「ワタシははっきり言ってあまり興味無いネ。クーが出場すればいいヨ」
 と、クーに向かって指を振りながら言うチャオ。クーはそれを見てニヤリと意地の悪い笑顔を見せる。
「正直に言うヨロシ。チャオでは勝ち目が無いから出場したくないだけアルね?」
「むー、そんなこと言われるほど差があるわけじゃないネ」
「負け惜しみはよすアルよ。所詮チャオは頭に栄養が取られ過ぎアル〜♪」
 と歌うように去っていくクーをにらみながら、チャオは(今度の新発明を覚悟するヨ……)と心の中でつぶやいた。