☆魔法先生ネギま!☆213時間目

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 なんだろうと思っていると、そのぬるぬるとした暖かいものは唇を割り、軽く開いた前歯をするりと通って彼女の口の中に入ってきた。
(っ! これって、し、舌ぁ!?)
 びっくりしたが、既に前歯の奥に入っているものだから口を閉じるわけにもいかない。
 どうしようか焦っているうちに、舌はさらに奥へと入ってきて、明日菜の上あごや前歯の裏側をなぞりあげた。想像したこともなかったその感覚に、明日案の体がびくりと震える。
 ネギは顔を傾けながらさらに顔を寄せてくる。舌がさらに進み、ついに明日菜の舌を捕らえた。
 彼女の舌の先端に、小鳥がついばむようにちょんちょんと触れ、その形を確かめるようにゆっくりと全体を舐めまわし、最後には、とり込み一つになろうとするかのように絡ませる。
 ネギの唾液が舌を伝ってくるのがわかるが、明日菜は不思議と、それを汚いと思わなかった。ネギの舌が触れてくる部分から、神経を溶かすような、不思議な心地よさが伝わってくる。思いもよらぬディープキスの洗礼だが、明日菜はそれを受け入れていた。
 ややあって、二人はようやく唇を離した。
 明日菜は真っ赤な顔をしていて、呼吸をするたびに肩がわずかに上下している。緊張のあまり、キスの最中呼吸をするのを忘れていたのだ。
 ネギの方はというと、多少顔が上気しているものの、平然としているようだ。
「あの……」
「っ! あんたっ! どこでこんなキス覚えたのよ!」
 ネギの言葉を遮って、明日菜が大声を上げた。その剣幕に、ネギは思わずのけぞってしまう。
 ネギは後頭部に手をやりながら恥ずかしそうに答えた。
「いやあ……故郷で姉に……」
「あ、姉ぇ!?」
 今度は明日菜がのけぞる番だった。
「はい。実は僕、姉と二人暮らしなんです。それで、小さい頃から僕がさびしがっていると、姉がキスでなぐさめてくれたんです」
 明日菜は一粒汗を流しながら聞いていた。
(そりゃ白人とかって日本人より簡単にキスするみたいだけど、実の弟にあんなキス教えるなんてどんな姉弟よ……)

 とはいうものの、それを聞いて明日菜の中で、次第にネギに対する思いに変化が現れてきた。
 明日菜も両親がおらず、その寂しさはよく知っている。
 明日菜は再びネギに顔を近づけた。
「まあいいわ。練習の続きしましょう」
 そこには、『このままこんな子供にいいように翻弄されたままでは終われない』という勝気な笑みが顔をのぞかせている。
 今度は明日菜の方からネギに口付けた。
 さきほど自分がされたように、舌を伸ばしてネギの口の中をまさぐる。
 最初はおっかなびっくりな様子でそろそろと口の中のあちこちを舌先で舐めるだけだった。
 しかしそれによって、10歳の少年の口のサイズが思ったより小さいことに気づき、だんだんとその動きが大胆になっていく。
 最初、遠慮して明日菜にされるがままになっていたネギも、明日菜が次第に慣れてきたことに気づき、ネギの方からも舌を絡ませる。
 お互いに顔の角度を小刻みに変えながら、時に主導権を奪い合うように、時に共に協力してお互いの快感を高めあうかのように、二人は熱のこもったキスを続ける。
 唇から、舌から、時に勢い余ってぶつかりあう歯からすら、静かに熱い気持ちよさが流れ込み、明日菜の頭にはぼうっと霞がかかりはじめた。
 ちゅっ、くちゅ、っという単調な唾液のはじける音すらも、催眠術のように明日菜を溶かしていく。
 と、胸のあたりに何か感触。
 下目使いに見てみれば、ネギの右手の手のひらが、明日菜の発展途上の胸に押しつけられている。