☆魔法先生ネギま!☆213時間目

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26名無しさんの次レスにご期待下さい
「遅れて申し訳ありません、このかお嬢様。今、闇からお救いいたします!」
 燃える麻帆良学園都市を背景に、白い巫女姿で軍勢の前に現れた刹那は宣戦布告すると、そ
のまま剣を群衆に向けて駆け出した。群衆の中から、背中に翼を背負ったハルナが上空に飛び
出して刹那を睨み、下にいる美砂に手で合図をした。
「ふん、たった一人で何ができるのかなあ―――?」
 美砂の歌に導かれて群衆は左右に分かれ、刹那を凹字の形で取り囲むようにぞろぞろと動き始
める。手に持っているのは刀剣の類の他に、銃器を持っている者も少なくない。
「私たちに、貴女一人で勝てると思っているんですかー? 桜咲さん」
 のどかが黒い本を持ってジャンプし、群衆の前線に軽やかに着地する。楓を壊した黒い本がぱ
らぱらと風に捲られた。刹那が射程距離に入るまで数十メートルである。
「確かに、現実だったら私だけではお前たちに勝てない―――」
 ハルナのスケッチブックが光り輝いてマシンガンを具現化する。ハルナはそれを片手で持ち、刹
那に向けて慣れた手つきで引き金を引いた。タタタタタタタタ、と火薬音が響き、無数の弾丸が刹
那に向けて発射される。群衆の中からは桜子と円が刹那の隙を伺っていた。
「桜咲刹那、さん―――」射程距離に入った刹那に対して精神を壊す黒い本が発動する。しかし刹
那の情報が読み込めない。「あ、あれ!?」

「現実では、な。―――ここでは話は別だっ!」
 マシンガンの弾丸の軌跡を、刹那が剣で遮断する。鈍い金音が連続して響き、撃墜された弾丸
ぱらぱらと地面に落ちた。刹那は刀で弾丸を叩き落しながら疾走し、前方に群れてきた美砂の兵
隊数十人を一振りで斬り飛ばした。バラバラと斬られた兵隊が後ろに飛ぶ。
「なっ!?」美砂が驚きの声を上げる。「そ、そんなのあり?」
「あううっ!?」のどかが美砂の兵隊に紛れて逃げた。
 刹那のスピードは衰えない。美砂の兵隊をまるでオモチャのように蹴散らし、のどかを兵隊ごと
横に斬り払った。黒い本が分解し、ページがバラバラになって宙を舞う。
「調子に―――」「乗るんじゃないよ―――っ!」
 左から円が釘バットを、右から桜子がピコピコハンマを振り下ろしてくる。刹那は地面を軽く蹴っ
て一回転しながら数メートル下がって着地した。桜子のピコピコハンマで叩かれた地面が粉々に
吹き飛んで穴ができる。円が体勢を整えてバットを片手に接近してきた。周囲に刹那を逃がすま
いと美砂の兵隊のバリケードができ、桜子がピコピコハンマを振り翳して高く跳び上がる。
 前後左右上から敵に迫られた刹那は剣を構え直し、
「神鳴流奥義…百烈桜華斬!!」
 円と桜子、そして美砂の兵隊を鮮やかな螺旋の軌跡を描いて切り裂いた。刹那を包囲していた
敵の陣が一気に崩れて散っていく。倒れた兵隊や従者は血を流さずに、そのまま煙のように消え
ていった。ハルナが険しい顔でスケッチブックを開き、『メテオ(大)』と連呼する。燃え盛る巨大な
隕石が現れて、夜空が紅く染まった。
「ぐう、う、うううう……」
 オレンジの着物を纏う木乃香が苦しそうに座り込み、横の刹那がおろおろしながら木乃香を助け
起こした。しかし木乃香の影が、モゴモゴと生物のように動き始めたのを見て顔色を変える。

「こ、こいつ! こっちに、出てくるなあ―――っ!」
「ぷはあっ!」
 木乃香の横の刹那が顔を歪めて怒鳴った。オレンジの着物を纏う木乃香の影に波紋が生じ、そ
の中から全裸の木乃香が苦しそうな顔をして飛び出す。その裸体には巨大な鎖が巻き付いてい
て拘束されていた。はあ、はあ、はあ、と縛られた木乃香は呼吸を整え、美砂の兵隊の陣を切り崩
す刹那に、大声で叫んだ。