その手には、狐の耳と狐のしっぽが握られていたのだが。
どく…んっ。
ネギの心臓が跳ねる。視線の先には、狐のしっぽ。
前に、手伝いのときに着せられたときのしっぽは、肌に貼りつけるタイプのもので。
柿崎に組み敷かれて着物をまくりあげられ、パンツを下ろされてお尻に貼りつけられた──のだったが。
今、目の前で朝倉が持っているしっぽはそれと構造を異にしていた。
しっぽそのもののふさふさ加減は同じ…なのだが。
──ただ、身体に固定する部分が。
細身ではあるが明らかにペニスを模したもので、さらにうねうねと動いていることだけが、以前と違っていた。
その動きがあまりに淫靡なものに感じられて、つい目で追ってしまう。
「おや? コレがどう使われるのか判ったって顔だねー」
朝倉の指摘に図星を突かれたのか、渡されたコスチュームで顔を隠すネギ。
「元からこのコスチュームってそういう目的で作られたものだからねー。こっちの尻尾がホンモノなわけ」
そう講釈をしつつ、ネギを伺う朝倉。
顔を覆い隠したはずが、チラチラと尻尾型アナルバイブに視線を送っているのを確認する。
(…ネギ君たら。興味津々なんだからなー)
嬉しげに苦笑を浮かべると、ネギをさぁさぁと促した。
「さ、時間は有限だからねー。ちゃっちゃと行こうか!」
こちらから多少強引に促してあげれば、きっと「しょうがない」という大義名分をもって従ってくれる。
朝倉には、そんな確信があった。
そして、ネギは確かにその通りに動く。
先生としての責任感は強いが、僅か10歳の少年でもある。
リスクを限りなく排除して、心に逃げ道を作ってやれば…そこに追い込むことは、朝倉にとっては簡単なことであった。
「あ、ネギ君ー、まずはスカートから脱いでね?」
言われるままに、ネギはスカートのホックに手をかける。
プチ……ぱさっ……。
床に落とされる短いスカート。
麻帆良中女子制服の上着と、靴下だけを身に付けた──下半身が剥き出しの姿になる。
可憐な少女の姿──に、似つかわしくない勃起が鎮座していた。
知らない者が見れば、股間で隆々と立ち上がるペニスを見て初めて少年と気づくだろう。
パシャ…、パシャ……。
焚かれるフラッシュと響くシャッター音が興奮を高めるのか、
まるで光と音に合わせるようにどくどくと先走りが溢れていった。
朝倉に言われるままに、恥ずかしげに股間を両手で隠して一枚。
上着を脱ぎ去って靴下だけになって一枚。
両手で乳首だけを隠して一枚。乳首に絆創膏を貼って一枚。
──一枚、一枚、一枚……。
ミニスカ狐娘へとネギが着替えを終えるまでに、既に朝倉は数枚のメモリーカードをいっぱいにしてしまっていた