☆魔法先生ネギま!☆212時間目

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ちょうどそのとき。
うつむく小柄な「少女」に近づく、一人の女性がいた。
はちきれそうな肢体を露出度の高い──胸の大きさををことさらに強調し、
なおかつ膝上二十センチはあるスカートとセットになった──衣装に身を包んだ女性である。
艶やかな笑みを浮べ、薄くルージュをひいた口唇を「少女」の耳元に寄せる。
恥ずかしそうに顔を伏せる「少女」。
唖然とする観衆をおいてけぼりにするかのように、「少女」は女性に連れられてその場から立ち去っていった。

ナイスバディ大人の女性に「少女」が連れて行かれるという状況に、あらぬ妄想を掻き立てられる観衆たち。
その中で、人を掻き分けようと手を伸ばした状態で硬直した千雨がいた。
──あれは、大人なんかじゃない。あれは──

「……朝、倉……?」

どうしてネギと朝倉があんな格好で会っているのか。
そもそも、女装をさせたのは朝倉なのか。疑問と疑念が渦を巻く。
衝動のままに千雨は二人が消えた方向へ走り出していた。

自分の年齢が大人に見える服装でネギの前に現れた朝倉和美。
スクープを見つけ出すその眼力が、ネギの異変を察知した。
もとより、着て来なくてもそれはそれでしょうがないと思っていた制服を着てきたことも去ることながら。
紅潮する頬と、ほど近くに近づいて初めて判った明らかな性臭。顔が緩むのを押さえきれない。
(ネギ先生も、期待してる)
そうでなければ、一人でシてしまうということはないだろう。
自分の思惑がこれ以上ないくらいに上手く運んでいることに、内心でガッツポーズをする朝倉。
口唇をうつむくネギの耳元に近づけて、最大限に妖しく、エッチに聞こえるようにつぶやいた。

「我慢できなかったのかな? ――ネ・ギ・ちゃん♪」

相手を女の子として扱うごとくの一言。
その言葉を聞いて、ぶるっ、と身を震わせると、力なくうなずくネギ。
朝倉に連れられて駅前を離れる。見上げる瞳は、潤みきっていた。

(……僕、どうなっちゃうんだろう……)
朝倉に手を引かれ、あまり人の通らない路地へと入っていく。
きょろきょろと辺りを見回し、心細さに朝倉に少し寄り添うようにする。
――ぎゅ……!
「ひぁ!?」
その瞬間、短いスカートの下のネギのおしりが朝倉にわしづかみにされた。
「ちゃんと穿いてきてくれたんだね。よかったー」
むに、むに、むに……
肉付きの薄い少年のおしりが、こねくり回される。生乾きのパンツが張り付いて、水分を滲ませた。
「あっ、うあんっ! だ、だって、朝倉さんが穿けって……っ」
「うん。……でもね? そのままおちんちんしごいて来て、なんて私は言ってないよ?」
立ち止まってにっこりと笑みを浮かべる。まるで――獲物を追い詰めるように。
あうう、と言葉に詰まるネギに、頃合と判断した朝倉は、脇道の階段を指した。
そこには、簡素な文字の看板。