刹那と木乃香の睦みあっている部屋には今二人の愛液の淫靡な匂いが充満していた。
中には、今し方刹那の責めにイカされた木乃香が寝転がり、それを刹那がベッドに座って見ているような状況だった。
二人共、頬を赤らめている。
しかし、同じ紅潮でも少し意味合いが違う。
木乃香のは、今イカされた事による快感の紅潮。
対して刹那のそれは、これから木乃香にイカされる事を期待している、興奮の紅潮だからである。
その刹那は、これから木乃香にイカせてもらうのを期待して声をかける。
「あ……あのっ……お嬢様……」
「ハァ……せっちゃん良かったでぇ……ありがとなぁ……」
「いえっ、どういたしまして!!……じゃなくって!!」
「ん〜、じゃあなんなんよ?」
刹那は、予想していたのとは全く違う回答を導きだした木乃香に、焦りを覚えていた。対する木乃香は、全く間違った事は言ってないといった様相で首まで傾げている。
そんな木乃香に痺れをきらした刹那は、羞恥心を我慢してねだった。
「お嬢様……あのっ……さっきの続きをして下さい!!」
「さっきの続き?具体的に言ってもらわんとわからんわぁ」
「え……それは……」
まさかイカせて下さいなどと言う訳にもいかず、戸惑う刹那。
しかし、それを見越しての回答だったのか木乃香の瞳にはからかう様な感じが見てとれた。
刹那が恥ずかしさに顔を真っ赤にして俯いていると、木乃香が意地悪い口調で尋ねてきた。
「なぁ……せっちゃん、どうして欲しいん?正直に言ったらちゃんと聞いたげるで?」最早、体の中の快感を求める疼きが限界にまで達していた刹那は、満を持して木乃香に言った。
「……せて下さい……」
しかし、そんな刹那に木乃香はさらに追い討ちをかける。
「聞こえへんで、せっちゃん。ハッキリ大きな声で……な」
その言葉に、もう刹那は泣きそうになっていた。
じらされ続けた刹那は、恥ずかしさを我慢して今度こそねだった。
ハッキリと大きな声で。
「イ……イカせて下さい!」
その言葉を聞いた木乃香は起き上がって、四つん這いで刹那の後ろまで行き、刹那の背後に座った。
そして、後ろから刹那の胸と秘部に手をあてると、木乃香は耳元で囁いた。
「ハイ……よく出来ました……」
その言葉と同時に、刹那の胸には、乳首を摘みながら指の爪先で軽く引っ掻くという責め。
秘部には、人差し指と中指の二本を蜜壺に差し入れながら親指の腹でクリトリスを緩急をつけて擦るという責め。
そして首筋を舌で舐め、刹那に対して完璧な快感を与えていった。
「んっ……ふぁぁっ……いぃよぉ……」
「ほや?ひもひえぇか?(どや?気持ちえぇか?)」
「は……はい、おじょう……ひぅぅ……様ぁ……ありがとう……うぁぁっ……ございます……ふぅぅっ……だ……めぇ……」
腟が収縮し始めた事を指先に感じた木乃香は、乳首と秘部への責めは続けながら、首筋を舐めるのを止めて声をかけた。
「んっ?イッてまうんか?」
「は……はいぃ……もう……イキそうで……す……ぅっ……」
その言葉を聞くなり、木乃香はまたも責めるのをやめた。もうイキそうだったのをまた止められた刹那は、涙目で木乃香に顔を向けて精一杯の抗議をする。
それを見て木乃香はうれしそうにこう言った。
「イカせて欲しいんなら、言って欲しい言葉があるんよ」その言葉を聞いた刹那は、恥じらいもせずに叫んだ。
「い……言います!!言いますからイカせて下さい!!」
最早、刹那の中ではイカせてもらう事が何よりの最優先事項になっていた。