明日菜の心情を察し、それを言わんとしたネギを、核心を言い終わる前にキスで唇を塞ぎ、牽制する。
(え…何で怒って止めないのアスナさん?いつものように叩いたりとか追っかけまわしたりとか……でも、このキス、すごく気持ちが伝わってくる!)
(知られちゃった、私の本心……でも、まだ今はダメ!まだ言わないで!アンタの為に、私の為に!)
「ぷはっ、はあ……はあ……。」」
「あ、アスナさん……。」
「いい、ネギ。さっきの言いたかったことの続きは、絶対言っちゃダメ。
もし言いたいのなら、アンタの目標を達成できたときにしなさい!
私も、そのときが来るまで言わないから。いい、判ったわね…………。」
「は、はい……でも、なんか、言わんとしている事が判ったように言っているのは何故ですか?」
「アンタの言いたい事と、アンタが私に対して思っている事、
そして、私がアンタに対して思っている事、どうせ一緒でしょ?
だったら、その思いを胸に秘めつつ互いの目標へ邁進し、
その時がきた時に互いに言ったほうが価値があるに決まってるじゃん♪」
「…………。」
(何か、上手くはぐらかされたような気がするけど、良かった……自分の予感と、気持ちが正しくて♪)
「でも……このまんま悶々と引きずって、今後がめちゃくちゃになるのもなんだから、
その時の後の予行演習をかねて、今夜だけは、私達が思うがままに楽しんじゃってスッキリしちゃおうか♪」
「えっ……は、はい!」
「ん……んんっ……んっ……」
「んあ……ふん……んーん…」
ぴちゃ、ぴちゃ、ぴちゃ……
静かな真夜中のベッドの上、ネギと明日菜は一夜限りの恋人同士の睦み合いを楽しんでいた。
まだ最初の抱き合ってキスをしている段階だというのに、強く抱き合った体を互いにくねらせ、
お互いの感触と温度を最大限に味わい、それに合わせるようにキスも、
唾液の水音がはっきり聞こえるくらいに互いの舌と口腔を激しく出入りさせてお互いのそれらを味わっている……。
「ふん、あ、あん、あ、アスナさぁん……。」
「ああんっ!可愛い、可愛いよ、ネギっ!」
名前を呼び合って、想いをを確認すると、またすぐに激しく唾液の水音を立てながら唇を貪り合い、
それと同時に強く抱きしめあって体を強く抱きしめながら、互いにまさぐり合いに没頭し始める……。
「ぷはぁ、はあ、はあ……にしてもアスナさん、さっきから、事あるごとにすごいキスしてる……。」
「ふふん、だってアンタ、何かと余計なことを口に出すこと多いじゃない。
それを遮るのに、引っ叩くよりも有効な手段といえば、口塞ぐことぐらいしかないわよ。それに……。」
「それに……何ですか?」
「何か悔しい気もすけど、アンタのキス、柔らかくて、すっごく美味しくって、癖になっちゃいそうなの……?」
「!?」
(な、何てこというんですかアスナさーん!は、恥ずかしいじゃないですかー?!)
どくん……
(あれ……何か急に体が熱くなってきた……ドキドキも強くなってきて……アスナさんに恥ずかしい事言われただけでこんな!)
時々部分的に憎まれ口的な表現があるとはいえ、普段の明日菜からは想像し得ない
気恥ずかしい誉め殺しに、ネギの心は恥ずかしさで一杯になり、激しい動悸とともに体中が紅潮しだしていた……。
「コラ……だめよ、がっついちゃ?」
「え?…………あぁっ?!ご、ごめんなさい……。」
先ほどの興奮から、ネギはペニスをはちきれんばかりに再び膨らまし、明日菜の鳩尾を知らないうちに小突いていた。