1 :
ヴォーカス:
杉本鉄宛のひとつの宅配物が届いた―
「これは…悪魔の実!!」
いや待て―そんなわけないだろ。俺だって一応漫画と現実の区別ぐらいはできてるさ…
何かの果物か。しかし、この模様はどうみたって悪魔の実。
形はバナナにも似ているが、唐草模様のような皮に覆れている。
そして、異様な光沢、そして、臭いを放っている。くせぇ。
しかし、誰がこんなもの俺に届けたんだよ。えーっと差出人はどこに書いてあるんだ?
そして、杉本は差出人の名前を一瞥して、驚愕する。―
「お、尾田…栄一郎!!!?」
(´・ω・`)
3 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 00:58:27 ID:V+ypXmMO0
本当にあの尾田栄一郎先生なのか…
ファンレターなら毎月欠かさず送っているし、ヴァレンタインデーにはチョコレートも贈った。
ならば、これはそのお返しか?ホワイトデーならとっくに過ぎてるんだが…
いや、しかし…さすが尾田先生、粋だな。こんなプレゼントをくれるなんて…
ワンピースを読み始めて10年、ずっとファンであり続けた俺への御礼なんだろう。
そんな尾田先生の気持ちを察してか、
杉本は高揚する気持ちを抑えきれずに届け物の食べ物にかぶりついた―
「うえ゛〜!!糞まずい!!!」
なんだよ、めちゃくちゃまずいぞ。こんな果物食べたことねぇ…
あぁ、どうせ誰かのイタズラだろう。尾田先生がこんなことするわけない。
毒とか入ってんじゃねぇだろうな?気分が悪い。
あぁ、テレビでも観よう。この時間はろくな番組やってねぇけど
<続いてのニュースです。相次ぐ謎の連続殺人事件。またもや一人の少年が犠牲になりました。>
<いずれの遺体も頭がなく、今回で5人目です。警察は5人の共通点を調査中です。>
あぁ、またか。最近多いな、殺人事件。今回で5人目か。
まぁどうでもいいけど。とりあえず、今日のことをあいつに聞いてみよう。
こんなふざけたことするやつはアイツしかいねぇ!
4 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 01:00:21 ID:V+ypXmMO0
「trrrrr、trrrrrrr、」―
フン、電話か。運がよかったな。ちょうど今は手があいているところだ。でてやろうじゃないか。
ん…杉本か。ということは、もしやアレがついにアイツのところに届いたのか?
「あぁ、もしもし」
『烏貝(うがい)か?お前俺に変な果物送ったろ?めちゃくちゃまずかったぞ!』
クク…やはり、杉本のところにも届いたか。あいつはワンピースの熱狂的なファンだからな。
「そうか、で、お前の能力は何だ?」
『はぁ!ふざけんじゃねぇぞ!一体どういうつもりだ?』
「どういうつもりも何も、それは俺が届けたものじゃない。尾田栄一郎がお前に届けたものだ。」
「それとお前、このままだと近いうちにニュースに出るぞ。」
「そうなりたくなければ、今すぐ俺の家に来い…ククク」
『全然意味わかんねぇけど、行ってやるよ…お前をぶっ飛ばしにな!…ガチャ、ツー、ツー』
フン…しかし、なかなかおもしろくなってきたな。
では、杉本を待つ間にこれからのシミュレーションをしておこう。
これからの戦いにおいて、杉本みたいな馬鹿も大事な戦力のひとつだ。
やつが食べた悪魔の実の能力次第では戦局は大きく変わる。
クク…この俺が武者震いをするとはな…
( ´゚д゚`)たのしいっすか?
6 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/04/26(木) 01:26:01 ID:v4t7SMQA0
ナイスナイス、すげー笑える。
ウゼぇ
8 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 01:46:35 ID:V+ypXmMO0
「おい烏貝!来たぞ!」
『クク…電話を切ってから1時間以上経っているじゃないか。しかしそれも計算通り。』
『もう俺の言ったことを理解したのだろう?』
「あぁ…どういうことだよこいつは…触ってみてくれよ…この体…」
「体が鉄になっちまった!!!」
『君は金属系(メタル)か…ワンピースではまだ出ていない悪魔の実…クク…おもしろい。』
「あぁ、なら、どうしてお前は知ってたんだ?」
「俺に悪魔の実が届いたことを…」
『いいだろう。では…君はワンピースを毎週読んでいるのか?』
―何言ってやがる!俺が無類のワンピース読者だということはお前が一番知っているくせに!
「だから何なんだよ。ちっともわかんねぇよ!尾田先生がこんな…」
『おそらく…尾田栄一郎は狙われている。あるいは、既に捕まっている。』
「誰に狙われているんだよ!先生はタダの漫画家だろ?」
『タダの漫画家か…それが、お前の尊敬している漫画家はタダの漫画家じゃないらしい』
『その証拠に君は尾田栄一郎から悪魔の実を受け取った。悪魔の実は実在している。
しかも、現実は漫画のそれより10倍、いや、それ以上の価値があると言われている。
そして、今まで世に出てくることはなかった。
ところで杉本。最近の連続殺人事件のことなんだがね…』
『あの少年達のところにも悪魔の実が届いたそうなんだ。この意味がわかるかね?』
「もしかして―」
『そう、次に殺されるのは君かもしれないんだ。』
「…敵ってのは誰なんだよ!」
『敵の名前は…お前も名前なら知っているだろう?ドラゴンという男の名を』
―まさか!ドラゴンという男は実在していたのか!?
「なぁおい。それじゃあ悪魔の実を俺に届けた理由はなんだ?」
『もう分かるだろう。お前が救うのだ。尾田栄一郎を』
才能ないってわかって書いてるなら止めないよ
とりあえず、寝ろ。
…な?
ナベシン路線でいくなら早口必須
12 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 02:33:46 ID:V+ypXmMO0
<ピンポーン>
―インターホンが鳴った。誰からだろう。それに烏貝は何をしている。
「おい、出なくていいのかよ」
『なぜここにいるとわかったんだ…クッ、予想外だ。早く逃げるぞ!』
「もしかして、もうきやがったのかよ!」
どうするんだ?窓から逃げるしか…
『ダメだ!もう遅い!』
パァーン!!!
―刹那、物凄い勢いで窓が割れ烏貝に破片が飛び散る
『こんにちはぁ。杉本鉄くんはどっちかなぁ?』
『俺の名前はスネイク。鉄くんを食べに来たよぉ』
『杉本、もう戦うしかない。まずは相手が何の能力者か推測するんだ!』
―んなこと言われても…どうしたらいいんだよ。しかも相手はかなり大きいぞ。
『俺の能力を教えようかぁ?ヘビヘビの実モデルコブラだよぉ』
『そして…5人の少年の頭は食っちゃったぁ、おいしかったぁ』
『尾田が悪魔の実を届けた人数は7人。君を殺して後ひとりぃ!』
―イカれてる…なんで俺がこんな目に会わなきゃならないんだ!
そして、こんなやつにワンピースファンである5人が殺されたなんて…
許せない!こいつは俺が倒す!
『フ…杉本、待て!』
―刹那、杉本に向かって這ってくるスネイクを烏貝が木刀で叩きつける。
― ど ん !
『こいつぅ、木刀の先に海廊石を…』
『クク…あとはお前が始末しろよ。おれはこんな汚い爬虫類に触れるのはゴメンだ!』
「OK。」
『君たちぃ…我々ドラゴン率いるマフィア組織、<ドラゴンオブデス>に逆らおうと言うのかぁ…』
「黙れ!鋼鉄の拳(アイアン・フィスト!!!」
― ど ー ん !!!!
14 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 03:50:32 ID:V+ypXmMO0
―東京の有名進学校に通う二階堂鳳凰はその異変に気づいていた。
今、ワンピースを書いている者は尾田栄一郎じゃない。
おそらく、大半の平凡な読者はその事に気づいていないのだろう。
エニエスロビー編が終わってからはもう尾田じゃない。
しかし、集英社はワンピースを他のものに書かせた。
今のジャンプ紙面からワンピースがなくなれば多額の損害を被ることになると判断したのだろう。
ふ、なかなか集英社も堕ちたものだ。
目先の利益にばかりとらわれていては一向に事態は進展せぬ。
事は思ったよりも大きい。
そして、悪魔の実が俺の家に届いたのは昨日のことだった。
悪くない。こんな平凡な授業を受けていても退屈は募る一方だ。
ここの高校レベルの学はここに入学して1年で理解した。
『おい、二階堂。授業をちゃんと聞いているのか。』
「すいません。体がだるいので保健室に行ってきます」
『お…おう、わかった』
15 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 03:51:23 ID:V+ypXmMO0
鳳凰は学校の校門に出た。
校門には違う学校の制服を着た男がいた。
どうやら、中に入ろうとしているらしいが、警備員の男に止められているようだ。
すれ違いざま、2人の男のうちのひとり、こんな春先から半そでのシャツ一枚
という装いの少し体の大きい男が声をかけてきた。
『おい、君。ここの学校に二階堂鳳凰っているそうなんだけど知らねぇか?』
「…いかにも。俺が二階堂だが。あいにく俺はこんな汚い制服を着た民族は知らないなぁ。」
『あぁ!何だと?』
するともう一人の肌の白い男が割って入ってきた。
『まァ待て、杉本。クク…やはり噂通りだ。』
『全国高校模試1位二階堂鳳凰。君は悪魔の実を食べたのか?』
―何故知っている!半袖のほうはタダの馬鹿だが…こいつはやばい!
頭の優れているものだからわかる。おそらく普通の人間ならばいきなり
こんな質問をしてこない。こいつは異変の全てを知っている。そして、こ
のたった一言の質問でここへ何をしにきたのか、これからの目的が全て
凝縮されている。おそらく常人ではとうてい計算できない。こいつは俺が
普通の人間ならばこんな質問はしない。やはり、こいつは俺のことを知
っている。しかし、こんな上等な会話を交わすことなんて久しぶりだ。
こいつ程の人間とは、あと2回の会話で十分だ。
「はじめまして。昼食、まだなんだ」
『了解。俺が奢るよ…クク。俺の名前は烏貝だ。』
―なるほど。全て理解した。
『おいおい、俺達さっき食べたばっかじゃないかよー』と杉本
―フ…こいつはダメだな。
16 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 16:36:03 ID:V+ypXmMO0
3人が着いた先は駅前にあるごく普通の喫茶店
『さっき食べたばかりだと言っていたじゃないか杉本。』
「いいじゃねぇか別に。金持ってんだろ?」
『ところで、烏貝。君はなぜそんなに知っている?』
『クク…今のワンピースを描いているのは俺の兄なんだよ。』
「意味分かんねぇ。尾田先生じゃないのかよ?」
『だから今は狙われているから姿を隠しているんだ…そうだろ烏貝?』
『ククク…その通り。その間代わりに俺の兄が描いてるんだよ。何故だか分かるか杉本?』
―全く意味がわかんねぇ。そんなことをしてなんのためになるんだ?しかし、もうそんなこと考えても
意味ねぇ…難しい話はよく分からないが、先生が狙われているのは事実のようだし、俺は助ける
ことだけを考えていればいい。先生は俺を選んでくれた。
『そして烏貝、今からどうするんだ?』
『一昨日、杉本を襲ってきた者によると、敵はドラゴン・オブ・デスという組織でボスはドラゴン。
4名の幹部がいるが能力は不明。俺達が倒したスネイクという者は能力者だったが…
ただの下っ端だったよ…ククク』
『下っ端ですら、能力者がいるのか?』
『そうだ。奴等は悪魔の実の能力者だけの組織なのだ。』
『そいつらを叩く訳だな…フ、久しぶりだな。こんな武者震いは…』
「で、今からそいつらのところにいくのか?無茶だぜ?」
―昨日は雑魚だったが良かったが、まだこの能力は慣れてねぇ…もう少しこの能力のことが知りたいんだが…
『クク…そうだな…まずは集英社へ向かおう』
『尾田の居場所を知っているかもしれない』
17 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 16:37:21 ID:V+ypXmMO0
―会計を終え店を出た三人、刹那、辺りに爆発音が響き渡る。
爆風で鼓膜が破れそうになる。そして、爆風によって巻き起こった煙が晴れると
3人は驚愕する。
「駅が…爆発した?」『やばい、能力者の仕業だ』
そして、さらに爆発音が響き渡る。そして爆発音の先から何かが杉本めがけて飛んでくる。
『危ない、伏せろ!!!』
何かに衝突した杉本、その瞬間またもや爆発音が響き渡る。
ドカァーン!!
杉本と何かが吹っ飛んだ。
「烏貝、二階堂、先に集英社に行っといてくれ。こいつの能力は分かった。」
『クク…じゃあ必ず後から来るんだぞ!』
『駅が破壊されたんじゃタクシーを使うしかないな』
―そう言って2人は走り去っていった。
18 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 16:38:39 ID:V+ypXmMO0
『ねぇ、あなたが二階堂なの?』
―…こいつ女!?本当にマフィアなのか?佇まいは普通の少女だぞ…そしてレースの日傘を差している。
『いずれにせよ、もう全員始末する予定なんだけどね。』
『あたしはドラゴン・オブ・デスの幹部の一人、アリスよ』
「ボムボムの実の能力者だな…」
『ええ、そうよ。』
―あの時、こいつは爆風を利用して超スピード俺に衝突してきた。見た目は普通の少女だが
身体能力はかなりやばい…しかし、勝てる!鉄の体を持った今の俺ならこんな爆発は効かない。
俺が先に仕掛けても、この女は爆風で逃げることが出来る。ならば、この女が仕掛けてくるのを待つしかないな。この女が俺に攻撃するにはいやでも俺に近づく必要がある。さっきの超スピードも次は見切る自信がある。
やつが仕掛けてきた瞬間に俺のアイアン・フィストを食らわせてやる!!!
19 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 16:39:21 ID:V+ypXmMO0
「おい、さっさと攻撃して来いよ。」
『あなたには普通の攻撃は効かないみたいね』
「俺は金属系(メタル)…テツテツの実の能力者だ!爆弾なんか効かねぇ!!」
『でもそれで勝ったつもりなのかしら…ドラゴン・オブ・デスもナメられたもんだねぇ』
『爆発は相手を吹っ飛ばすだけじゃないのよ…それを知らないのなら…あなたはもう終わりね』
『自己爆発(セルフキャノン)!!』
―は…速い!だが見切れるぜ!…上か!落ちてきたところを仕留めてやる!
<ベチャッ>
―ぐおっ!目に何かが入った!何だ…唾液のような臭いだが…
<ドカーン!>
『私の体のものは全て起爆する…今のはわたしの唾よ、あたしの唾の味はどうかしら?』
『セルフキャノン…ダイブ!!』
―前が…前が…
『目の前で爆発による強い光を見れば最低でも数十秒は目が見えなくなるものよ』
<ドカーン>
―クソ、体を押さえつけられた。力もかなりあるぞコイツ…
『油田の事故で火事があったとき、ダイナマイトを使って消化することがあるんだけど…』
―何いってやがんだ!?
『爆発という現象は周りの酸素を一気に奪うことができる…』
『あなた…ファーストキスはまだかしら?』
『エクスプローディング・キス!』
―く…くちづけ!こいつの息が吹き込まれていく…これはまさか!
<ドカーン!!!>
『はい、おしまい。後は肺の中にある一酸化炭素を取り込んでそのままショック死…』
『能力に善し悪しなどない…問題なのは常に使う者の善し悪しだ』
―ドラゴン・オブ・デス…まさかこれほどとは!!
スレタイを見た時はまさか勃起させられるとは……
21 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 22:55:00 ID:V+ypXmMO0
口から煙を吐いている、白目を向いた杉本を背に歩き去っていくアリス。
「残るは2人、まぁ彼ら二人も既に私の部下が始末しているところだろう…」
「まずは、ボスに報告ね」
携帯電話を取り出し、ボスに連絡をしようとボタンを押すが、手が震えてボタンがうまく押せない。
「だ…誰かが近づいてくる…なんだ、この覇気は!?」
すると、アリスの背後に通る路地裏から男の影が近づいて来る。
一歩ずつ、一歩ずつ…歩みよる度に増してくる覇気に圧倒され、思わず携帯電話を落とすアリス。
そして、暗がりから男が現れ、こちらを一瞥する。
男の手にはロープが巻かれており、そのロープの先は1匹の大型犬のの首へと繋がっている。
「あ…あなたは・・・」
「お、お、尾田栄一郎!!!」
22 :
ヴォーカス:2007/04/26(木) 22:55:53 ID:V+ypXmMO0
尾田はアリスを無視し、倒れている杉本の方へゆっくりと歩み寄る。
「貴様ァ!やっと姿を現したなァ」
「あ、あなたを抹殺するのがボスからの指令ィ!」
「セルフキャ…!!!」
尾田がアリスを睨みつける…アリスは自分の高鳴る鼓動を聞いた。
そして、尾田が杉本に手を差し伸べた瞬間、杉本の体が反応する。
「な…何!?…生き返った!」
「しかし…逃がさない…セルフキャノン!」
超高層ビル相当の高さまで舞いあがるアリス。
「セルフキャノン…ダイブ・イントゥー・ヘル!!」
杉本と戦った時とはケタ違いの爆風に乗り、超スピードで尾田に向かって落下するアリス。
空気の摩擦で傘が燃え上がっている。
「この技は私もかなりダメージを食らう超必殺技のひとつ!」
「全てを消し飛ばせ!轟音の大爆発(ビッグバン)!!」
この技を使えば地面に深さ10メートルのクレーターが出来るアリスの必殺技。
DOOOOOOOOON!!!!
〜後に世間の間では隕石の衝突と噂されたこの爆発は、巷では他の国の核ミサイル砲撃
という都市伝説まで流行し、世界の新聞の一面を飾ることになる。〜
23 :
ヴォーカス:2007/04/27(金) 02:23:49 ID:ozIJ7W0/0
アリスは遠くの高層ビルの屋上に叩きつけられる。
「痛っ、か…かなり、飛ばされたわね…」
「おそらく、爆発現場には物凄い野次馬の数がいてたどり着けない。」
「それに現場には死体なんて跡形もなく消滅しているハズ…」
「とりあえず…ボスに報告をしなくちゃ…尾田の抹殺完了と。」
「あ、ケータイ落としたんだっけ…」
「任務は終わった、とりあえず今は休もう…」
『否―お主の任務はまだ遂行されておらぬ』
振り返ると、ビルのアンテナに対して直角、地面と平行に立つ老人の姿があった。
「あなたは…コイル!…それはどういう意味なの?」
『気づいておらぬのか…彼奴の<覇気>はまだ消えておらぬ』
『しかし、端からお主に期待などしておるものは存在せぬ』
『尾田の<覇気>如きに怖気づくような者に尾田抹殺は任せられん』
『それに、あの様な派手な殺し方では、肝心の物まで消滅してしまうじゃろ。』
「え…あ…そんな…」
『お主は今すぐわしとアジトに戻るのじゃ!』
『そして、降格。幹部は既に別の者を用意しておる』
言われるがままにアリスはコイルと共にアジトへ向かった。
24 :
ヴォーカス:2007/04/27(金) 02:25:16 ID:ozIJ7W0/0
「はっ!ここはどこだ!」
『ここはエアドアの空間だよ。僕の愛犬がドアドアの実を食べてしまってね…間一髪で逃げ切れたよ。
目が覚めたかい?杉本君?体のほうは大丈夫かな?』
―はっ!!!尾田先生!!!
俺は…死んだはずじゃなかったのか?そうだ…視界が消え意識が遠のく中、とても大きな
鼓動が聞こえたんだ。その鼓動のリズムに心の奥が自然と反応していたんだ。なんだろう、
この暖かさは…尾田先生は太陽のように俺を照らし、太陽が新たな生命を宿すように、
俺に命を吹き込んでくれたんだ…。俺が尾田先生を救うと決めたのに、逆に助けられて
しまった。悪魔の実の能力を舐めていたのかもしれない。漫画の中じゃ、ボムボムの実の
強さなんてたかが知れていたハズなのに…悔しい!何て情けねぇんだ俺は!相手は女
だったんだぞ、クソ!!
「うっ…ぐすっ…」
『どうしたんだい?僕は本当に君に感謝しているんだよ?そして、本当にすまない。
君達読者を巻き込んでしまって…』
『奴らははじめ、僕の悪魔の実を狙ってきたんだ。というのも、僕は悪魔の実の存在を知ってから、
悪魔の実が悪い奴らに利用されるのが嫌だったんだ。そして、漫画家になり、稼いだお金は全て
悪魔の実を収集するために使ってきた。もちろん、お金だけで手に入れれる代物じゃない。命が
いくつあっても足りないような修羅場もなんとか乗り越えてきた。そして、ようやくこれを見つけること
が出来たんだ。』
そう言って尾田は懐に隠し持っていた分厚い本を杉本に見せた。
25 :
ヴォーカス:2007/04/27(金) 02:26:48 ID:ozIJ7W0/0
『これは、悪魔の実の図鑑完全版。ここに全ての悪魔の実の形、能力が載っている。奴らの本当の
狙いはこの図鑑なんだ。これは今、世界に1冊しかない。奴らは悪魔の実を持っている資産家、蒐集家
などを次々に襲い、組織を強大にしていった。僕も初めはその中の一人に過ぎなかった。しかし、現代の
悪魔の実の種類は奴らの予想よりも多く、これまで闇市で流れていた図鑑に載っていないものばかりだった。
そして、僕がこの図鑑を持っているという情報がどこからか漏れ、奴らに徹底的に狙われることになった。』
「でも、それじゃあ、図鑑を渡したら殺されずにすむんじゃ…ないんですか?どうして奴らは先生を殺そうと
するんですか」
そう聞くと尾田は図鑑の適当なページを捲り、杉本に見せた。
『杉本君…きみはこの文字を読むことができるかな?』
「それは…古代文字!…先生は読めるんですか?」
『あぁ、世界でこの文字を読めるのは、現代には2人しか存在しない。僕と…ドラゴン・オブ・デスのボスである
ドラゴンを除いて誰も解読できるものはいない。ドラゴンは僕が悪魔の実の全てを知っていることを脅威に思って
いるのだろう。だから…もう僕といるのは危険だ。その図鑑は燃やしておいてくれないか。』
「先生はこれからどうするんですか?」
『僕はこの世にはいないほうがいい人間かもしれない』
「………そんなこと言うなよ!先生!俺達は先生のために戦ってるんだぞ!それに、殺された5人だって…
先生を救おうと戦って死んでいったハズだ。みんなが続きを楽しみにしているんだぞ!先生は戦わないのかよ!」
『続きなら僕のアシスタントが書いてくれるさ。それに…』
「ふざけんじゃねぇ!!!」<どんっ!>
「あんなのワンピースじゃない!先生はずっと魚人島編を描きたかったんじゃねぇのかよ!死者が蘇ったりする
のなんか先生のポリシーに反してんじゃん!人は死ぬんじゃねぇのかよ!?」
『あぁ…そうだ。すまない…だが、死ぬつもりはない。それに、あの5人の少年達はまだ死んではいない。』
『それと、その気持ちを忘れるんじゃないよ…約束できるか?』
「あぁ!」
『では君にこれをプレゼントしよう』
「これは…なんだ?」
『君は悪魔の実の本当の力をまだ知らない。君がさっきの気持ちを忘れなければもっと強くなれる。』
『例えば、硬くなるのがテツテツの実の能力じゃない。文字通り体が鉄になる能力だ。この中の玉を食べれば
一時的に普段使えない特殊な能力を使うことができるだろう。まぁ、ランブルボールのようなものだと思って
おいてくれ。それともうひとつ。これは相手の道力を測れる機械。ちなみに君の今の道力は300だ。さっき君が
やられたの幹部の道力が3000。そして、幹部の中でも最強といわれる氷堂の道力は…15000だ。』
『氷堂との戦闘だけは絶対に避けろ!いいな!』
―15000…そんな化け物がいるってのかよ…。
「そうか、じゃあまずは5人の少年達の家の住所を教えてくれ。生きてるんだろ」
『フフフ、了解。では健闘を祈る』
26 :
ヴォーカス:2007/04/28(土) 21:31:43 ID:BQTMggrP0
集英社、週刊少年間ジャンプ編集部の浅田は困惑していた。
ドラゴン・オブ・デスから集英社に連絡が入った。尾田の居場所を教えろ、さもないと集英社を爆破する。と…
週刊少年ジャンプ編集部のデスクは誰もが慌しく右往左往しており、閑散としていた。
そして、浅田は警備室の監視カメラのモニターに写る、二人組の男を凝視していた。
「おい、こっちに向かっているんじゃないのか?まさかドラゴン・オブ・デスの刺客…?」
すると、横にいる同僚の服部が笑みを浮かべながら口を開いた。
『ハッ、こりゃどうみてもガキだ。ウチの警備もどうかしてるぜ!ま、こんな事態じゃ仕方ないか』
『今から、こいつら追い返してくる。俺らは今、こんなガキどもにかまってる暇なんかないしな。』
「あぁ…そうだな」
そういって服部は立ち上がった。
しばらくするとモニターに服部の姿が現れた。そして、二人組の男に接触をした。
何を話しているのかは分からないが、どうも様子がおかしい。どういうことだ?
浅田は熟考する。尾田は今どこで何をしている。こんなことになっているのも全部お前のせいだぞ。
ここのところ休みもなく、せわしなく働き続け、昨日の今日ドラゴン・オブ・デスからの脅迫、ここ数日
はちゃんと睡眠もとれていない。全部尾田のせいだ。いるんなら早く出て来い!馬鹿野郎め!
すると、警備室のドアが音を立てて開いた。熟考していた浅田は驚いてデスクの上の紙コップを落としそうになる。
「な…なんでそいつらを連れてきてんだ?」
『このふたりのうちの一人、二階堂鳳凰の家に、尾田から悪魔の実が届いたそうだ』
「つ、つまり…どういうこと?」
『こいつらによると、尾田は今ドラゴン・オブ・デスに命を狙われている。まぁ、このことは内部の人間の中でも
一部の人間しか知らない情報だ。それ故に連れて来た。』
「そ、そうなのか…君達は何をしにここまできたんだ?」
浅田が尋ねると、二人のうちの、肌が白い男が答えた。
『クックック…ズバリ…ドラゴン・オブ・デスのアジトの場所を教えてはくれないか?』
―どういうことだ?それにしても近くで見ると尚更肌の白さに驚く。後ろの壁より白いんじゃないのか?
『おい…ちょっと待て!俺達はドラゴン・オブ・デスの所在地なんて知らないぞ!?
それに、君達はそれを知ってどうするつもりだ?まさか乗り込む気じゃないだろうな?』
『そのまさかなんだが?』
―こいつら…ドラゴン・オブ・デスの恐ろしさを知らないのか?
「一体何のために?」
『尾田栄一郎を救うため。いや…ジャンプの未来を救うためだ!』
二人組のもう一人の方、二階堂が口を開いた。
『そして、あなた方に質問がある。尾田先生が行方不明になったのにも拘わらず、ワンピースの連載の続行
を決定した者は誰だ?』
「それは、もちろん編集長だ…」
突然、警備室のドアが開く―
「って編集長!?何か用ですか?」
自作小説の発表は板違いですよ。
28 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/05/11(金) 19:38:49 ID:Iwmwth0I0
29 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/05/11(金) 21:06:07 ID:0neTU9x50
. o且o
. (●,_,●) <がんばってるところを悪いんですが・・・・
(|メメメ |) その・・・・すごくつまらないんです・・・・
. ( )
. U U
30 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/05/12(土) 00:58:14 ID:LIgEhbQVO
続きまだぁー?
31 :
鳳凰 ◆AsNfKETrhg :2007/05/12(土) 07:24:38 ID:PMOsZ9AKO
何かただのアンチじゃん。
32 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/05/12(土) 08:36:48 ID:Ez498q0HO
冨樫の方が良かった
test
test
l
内容の面白さ
富樫>>>真島>>>>>>>>>>>>>尾田だな。
正直下手に真面目な小説っぽさを出すと、リアル厨2病に見えて、なんか気持ち悪い。
富樫や真島のはわざとらしいから、なんかアッサリとしてて読みやすい。
この手のスレは好きだから、まぁ頑張れよ
40 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/07/02(月) 22:40:33 ID:MM2T0eQ0O
おもしろい!!できれば続きを書いていただきたい!!!
41 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/07/02(月) 22:45:55 ID:zDwwhgA9O
しまった!
尾田っちにかいろう石入りの
ファンタ奢ったんだった
グビグビ飲んだ後
すごい脱力感だったな
ヒャヒャヒャヒャ
44 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/07/19(木) 14:28:18 ID:697Ec24nO
サライ
45 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/07/19(木) 15:36:16 ID:A5rgKQXz0
冨樫版おもろかったよなw
真島版よみてえ!
46 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/07/26(木) 15:51:06 ID:Iv/KrCH90
48 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/07/26(木) 19:39:52 ID:Yp4vFs8+O
続きないのか
49 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/08/02(木) 14:55:07 ID:7HR/IEzF0
え
51 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/08/30(木) 14:10:09 ID:eBBsBnNn0
さみしいな
54 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/02(日) 15:54:05 ID:V+N01xbm0
55 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/02(日) 16:29:41 ID:ArSF2Rp+O
続く?
57 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/05(水) 15:26:13 ID:tidVT6cK0
ヴェルロスの文章は何気に情景が目に浮かんだんだがなぁ
59 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/10(月) 13:54:11 ID:25Vuxop00
60 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/11(火) 15:46:47 ID:xHf+jtUY0
久々に本格的な邪気眼の持ち主に出会った
62 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/14(金) 13:41:35 ID:aYzJXZR40
63 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/18(火) 15:09:21 ID:99Pe2g3e0
64 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/21(金) 14:00:56 ID:EHTGkb0K0
65 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/26(水) 12:14:00 ID:5EMkOYBh0
66 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/09/30(日) 11:55:52 ID:HxUIIu6O0
67 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/01(月) 00:16:18 ID:JDLuLKn10
68 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/03(水) 02:12:30 ID:N5n7U3Vt0
69 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/06(土) 01:36:23 ID:c5/5dR8b0
70 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/06(土) 22:17:13 ID:c5/5dR8b0
71 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/06(土) 22:23:18 ID:LcE6TOxn0
ワンピ面白いw
72 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/07(日) 00:04:51 ID:Dcms93rO0
73 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/08(月) 21:44:47 ID:ZUa9MCAY0
74 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/09(火) 01:20:13 ID:rxW/nifC0
75 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/10(水) 15:35:59 ID:6Ychx0IX0
76 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/11(木) 13:47:44 ID:zbkniYzY0
77 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/11(木) 13:56:16 ID:Yg+lP1weO
え
y
80 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/14(日) 13:49:39 ID:J4xeaSPE0
81 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/15(月) 01:18:51 ID:F2YegkfM0
82 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/16(火) 00:51:43 ID:0nj/VtPg0
83 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/18(木) 02:43:24 ID:E+fxkpkQ0
84 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/18(木) 06:26:52 ID:3b0W2VxR0
富樫と真島って誰よ?
85 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/19(金) 22:06:30 ID:/nenOr4w0
87 :
名無しさんの次レスにご期待下さい:2007/10/21(日) 20:46:40 ID:akUCocZL0
88 :
名無しさんの次レスにご期待下さい: