あと二人とも語ってることが寒い。
奈須「僕が『Fate』という作品に込めた思い――それは“夢を見ること、叶えること”。
人間なら誰しも夢を見ます。けれど、夢を叶えられることのできる人間はごく一握り。
大抵の人間は、挫折し、諦めて、見ていた夢を忘れてしまう。実際、僕もそういう人間だから
すごくわかりますが……それでも夢を見続けることができる人間は確かに存在していて、
それは何も特別な人間じゃない。シンプルに、貪欲に求めれば、いつかは夢は叶うんです。
そう信じて、僕は『Fate』を作りました。作中のキャラクターたち一人一人、夢や思いがあって、
自分の信じたことのために戦っている。すごく格好いいじゃないですか、そういうの。
だからプレイして、そういうことを感じてもらえれば幸せですね」
久保「はじめは、ただの自己満足だったと思う。『BLEACH』は、元々読み切り用に描いたもので、
連載として描くつもりはなかった。でも読み切りを読んだ方からの反応を見て、自分なりに
この漫画に向き合おうと思ったんです。キャラの設定からストーリーの細部まで、一から考え直して…
いつの間にか、黒崎一護というキャラクターが確固として自分のなかに存在していた。読み切り時よりも
彼に愛着が湧いて……既存の主人公にはないキャラだと思いますよ。
格好いいだけの主人公はありふれていて、俺はそういう主人公は描きたくなかったんです。
もっとリアルに、格好悪い部分も曝け出せるキャラのほうが魅力的だと思ったし、何よりも自分が描いていて
楽しいんですよ。一護を描いていると、自分が思いもしなかった彼の一面が出てきて、すごく新鮮なんですね。
読者の方にもそれが伝わっているのか、連載当初から一護に対する反応はよかった。
自分自身、『BLEACH』を描いて成長できたと思うので、これからも頑張っていきたいですね」