ヒキョウモノWNCTZRfj36!『金色のガッシュ』part113

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39名無しさんの次レスにご期待下さい
次回、
 ようやく討条から逃れられたというのに、刺々森は穏やかならざる雰囲気を感じてい
た。斬が鋭斬刀を振り回して遊んでいたからだ。
「これ、一度使ってみたかったんだよね」
 校舎の壁をチラリと見やり、ニマリと不気味に微笑んでいる。
「バ、バカ!やめろ!」
 刺々森が制止する声も空しく、鋭斬刀は振り下ろされた。
 渾身の一撃は、校舎のみならず校庭を囲む外壁をも両断し、住宅街へと飛び出した。
民家が破壊され、商店が切り崩される。乗用車が、電池交換時のミニ四駆さながらに分
割される。帰途につくハゲ頭のサラリーマンも襲撃を受け、毛根の悩みから永遠に解放
される…。直接被害にあわなかった人達にしても、電柱が倒されたために光ファイバー
の開通日が大幅に遅れてしまう事は、非常に頭の痛い問題だった。
 無双市に災厄を振りまく斬撃は、遮る物を切り刻み、破竹の勢いで突き進む。その行
く手に立ちふさがるのは、無双総合病院だった。
院内では二人の男―壊原にぶちのめされたかませ犬とその子分―が会話を交わしていた。
「牛尾さんクヨクヨしすぎは身体に毒だど〜」
「ああ…。だがなァ、これからまた女共の世話になるのかと思うと、憂鬱で仕方ねぇ」
 牛尾は全身打撲で入院していた。包帯姿が痛々しいが、外傷のほとんどは路面に引き
ずられた為に出来たものだった。
「すまねぇな赤井。またお前ェに迷惑かけちまって」
 牛尾にとって、赤井は実によく出来た子分だった。普通ならば、とうの昔に見限られ
てもおかしくはないはずだ。
 怪我のために精神的にも参っていたのかもしれない。日ごろは死んでも言えない、そ
のような疑問が口をついた。
「…たいして強くもなく、てんで頭の悪いアンタに、どうしてくっついて来るかって?」
 答える赤井の目が妖しく輝く。口調も微妙に変わっている。
「それはね、アンタが脚を動かすたびに、ズボンの上からでもケツの形がくっきりとわ
かるからっスよ。それを見てるとね、ああ鍛えられてるんだなぁって…。そう思うと、
股ぐらから脳天に向けて、こう、言い知れぬ電撃のようなモンが突き抜けていくんスよ」
「な、なにを言ってるんだ?」
 狼狽する牛尾の目が、ベッドに伸びる手を捉えた。彼が反応するよりまだ速く、剥ぎ
取られたシーツが宙に舞い、それが自由落下した後には赤井の裸体が現れた。
「舎弟と舎兄に仁義あり、夫婦の間に前戯あり!いまこそ、義を持って返してもらいま
しょうかー!!」
「バカはよせー!!」
 あわや牛尾の貞操が奪われるかと思われた瞬間、両者の間を巨大な衝撃波が通り抜け
た。ナニをちょん切られた赤井が、絶叫と共に吹き飛ばされた。