『侍が 犬だとすれば 忍は猫か
犬は主人につく 忠義 信義 仁義
主人のためならば 命も省みない
奴らは美しく生きることに喜びを抱く
だがしかし 主を失えば たやすく道を見失う
(画面 ゴミをあさり、道路に寝る居場所の無い侍たちの姿)
猫は違う エサにさえありつければ どんな主人にもすりよっていく
俺達の生き方には 美も醜もない
(画面 えさを漁る野良猫達、それを蹴飛ばすように走る男の脚)
そこにあるのは 己の 忍の技への執着のみ
己の技を 絶対の美にまで昇華する事のみが
――忍(おれたち)の 至上の喜び』
忍々PIZZA、とかかれた箱を持って夜の町を疾走してゆく全蔵
第百二十四訓 ジャンプの次号予告はあてにならない
『そうして 今日も猫は 夜を跳ねるのだ』
「よし 時間ジャスト 完璧な仕事だ」
ビルからビルへ壁を渡り、地面に降りようとした全蔵だが
いきなり尻に走ってきた銀時のスクーターをぶつけられる
「んだよ またかよ なんだ このバイクは?
人を引き寄せるのか?」
しれっとした銀時
痔の再発の予感に悶え苦しみながら銀時をなじる全蔵だが
せまる時間に、その場にあったピザの箱を掴んで走り出す
無事時間に到着し、ピザを届けようとする全蔵
ピザを頼んだのは、おかっぱ頭の利発そうな幼女
だが、ピザはジャンプになっていた
「あんのボケェェェェ!!すいません スグに引き返して とって…」
叫ぶ全蔵の手からジャンプを受け取る幼女
「構わん 丁度 今週号が読みたかったところじゃ」
ごくろーじゃった、とジャンプ代(小銭)を払って家に入ろうとする幼女
「それから ぬし
尻に災厄の相が出ておる 気をつけい」
「なにを…」と全蔵が呟いた瞬間、
「オイ 俺のジャンプ返せ」と肛門にスクーターを銀時がぶつける
のたうつ全蔵
しかもピザは銀時が現在進行形で食べている