吾代「だけど… ふーん…」
早坂「? 何だね」
吾代「なんかてめーら… 前よりかよほど活き活きしてんじゃねーか 余計なモンを取っ払った感じでよ」
早坂「…フフフ そう見えるかい?」
ユキ「当たり前だ 兄貴と俺のコンビは無敵だからな 大きな組織は邪魔なだけだ 今の方がよっぽど身軽だぜ」
早坂「ん それともう1つ 心残りというか… 引っかかってる事があってね」
吾代「引っかかる?」
ユキ「………」
早坂「君と探偵達にジャマをされた 例の最後の大取引さ それの取引相手がね どうにも妙なんだ」
吾代「……?」
早坂「あの取引は失敗したが… その直前顔合わせも兼ねて… 同じ相手と数十丁の拳銃を取引したんだ
ネットで匿名の注文を受け 金もちゃんと振り込まれた 手続き上は何の問題もない
…だが 実際取引に来たのは… およそ銃火器とは無縁そうな… 女を含めた3人の若者だった
この世界は信用の世界だ 末端の運び屋とはいえ あんな一般人にやらせては… 情報を口外する恐れがある
取引相手に少々不安を覚えてね 部下の1人に後を尾けさせたんだ 武器を積んで走る車が入って行ったその先は…
驚いたよ 私立の名門錯刃大学だった」
吾代「…!? 大学生が… 武器取引?」
早坂「それ以来その相手から連絡は来ないが その直後からだ 知っているか吾代? ここ最近起きている一連の凶悪事件
それに混じって ごくごく普通の一般人による… 銃犯罪が激増してる
犯人達は口々に銃の入手先を 『拾った』と言っているが 間違いない この銃は我々が売った銃だ
最近世の中では… 他にも犯罪が多発してるようだがそれはいい だが この銃に関しては別だ
おまえも知ってるだろ吾代 裏と表の人間は住みわけなくちゃいけないんだ
裏の人間がどう銃を使って誰が死のうが勝手だが… こんな風に一般人に節操なく銃を流せば… 社会全体が壊れちまう
それが嫌でちょっと責任を感じてね まあ吾代 今言った情報をどう扱うかはおまえに任せるよ
行くぞユキ 探偵共にもよろしくと伝えてくれ 取引を台無しにされた借りは… いずれ必ず返すとな」
そういって店を出て行く早坂とユキ
吾代「……へッ」