第四十四 篭城・うたかた荘!!
”異天空間”は――… 生者の世界から切り離された
外側からは 誰にも気付かれる事のない
奴らの領域(テルトリー)――…
「生者にとっては 目に見えぬ雷雲… 物理的な壁ができるわけではなく
スルリと反対側に抜けてしまう 存在しない場所
内側にいる者にとっては 外に出ることの出来ない 完全な障壁
招雷吼から出ようとすれば 黒コゲだ これをどうにかしなければ
私達は逃げる事すら出来ない
雷雲自体は恐らく アパートの周囲にも広がっているが
奴の異天空間の内側=有効範囲は
アパートのみを取り込む狭い領域と見ていいだろう
まあ今は 私の領域が効いている とにかく休め 話はそれからだ」
いずれむこうも仕掛けてくる それまでに 少しでも――…
グ「とりあえず 見(けん)です」
ゴ「アアッ!?何ザケた事言ってやがる この変態野郎!!」
グ「私は変態じゃない
キヨイの機嫌を損なうような真似は止めましょう
――奴らが全力で来るのなら… あなたも嬉しいでしょう?」
舌打ちするゴウメイ
うたかた荘の浴場
(「『のぞかない 清き魂』BY明神」と張り紙がある)
湯につかっている姫乃と澪
「は――… 生き返る――…」
「しっかり寝るんだぞ キャシャなくせに 派手に動き回ったんだから」
「…澪さんみたいな 案内屋さんもいるんだね…
男の人しかいないと思ってた」