みえるひと ネタバレスレ【五人目】

このエントリーをはてなブックマークに追加
344 ◆xv3PhvD28k
まず最初に。
今週は文字ばれナシで本物読んだ方が面白いかも。
テンポいいし濃いし面白いし。
それでもいいなら文字バレ読んでね。
345 ◆xv3PhvD28k :2006/06/08(木) 20:39:02 ID:5vE3enjs
怒声とともにバリヤーを蹴るゴウメイ
「出て来い臆病者共!全面戦争って意味 わかってんのか!?」
「どうやら長期戦のようだ 反省なさい ゴウメイ」
脇に立つグレイ
ゴ「雄と雄が プライドを賭けて 魂を削りあう…!それが戦争だろうが…ッ!
!」
グ「深いようで浅い」

闘えと呼ばわるゴウメイを窓の中から見つめるうたかた荘一行
アズミを肩車している澪「この一帯を取り巻く雷雲は アイツの仕業だ
ゴウメイの異天空間(トバリ)… ”招雷吼”(ハウリングストーム)」
エージ「トバリ…!?」
澪「我ら案内屋とは 似て非なる… 時代とともに 衰退した力を甦らせる
”妖”の結界…!
外界を遮断した 濃密な霊場を作り上げ 己の異能力を最大限まで発揮させる領
域…
”異天空間”
それが奴ら… パラノイドサーカスの力…!
無縁断世 桶川雪乃が与えた力だ」
明神「自分だけの 世界ってわけか…」
何気なく現われた明神とガクの脳天に踵落としをかます澪
「動くなっつったろ
時間かかるんだよバーカ 治んないだろーが
お前ら 耳 ついてんのか?」
ガスガスと連続で激しく踏まれる明神とガク、泣きそうになって止めようとする
アズミ
外からはゴウメイの呼ばわる声「これで治るの…?」と姫乃
『カオスだ 中も外も』呆然とたたずむエージとツキタケ
346 ◆xv3PhvD28k :2006/06/08(木) 20:39:58 ID:5vE3enjs
第四十四 篭城・うたかた荘!!
  
  ”異天空間”は――… 生者の世界から切り離された
  外側からは 誰にも気付かれる事のない
  奴らの領域(テルトリー)――…
「生者にとっては 目に見えぬ雷雲… 物理的な壁ができるわけではなく
スルリと反対側に抜けてしまう 存在しない場所
内側にいる者にとっては 外に出ることの出来ない 完全な障壁
招雷吼から出ようとすれば 黒コゲだ これをどうにかしなければ
私達は逃げる事すら出来ない
雷雲自体は恐らく アパートの周囲にも広がっているが
奴の異天空間の内側=有効範囲は
アパートのみを取り込む狭い領域と見ていいだろう
まあ今は 私の領域が効いている とにかく休め 話はそれからだ」

 いずれむこうも仕掛けてくる それまでに 少しでも――…

グ「とりあえず 見(けん)です」
ゴ「アアッ!?何ザケた事言ってやがる この変態野郎!!」
グ「私は変態じゃない
キヨイの機嫌を損なうような真似は止めましょう
――奴らが全力で来るのなら… あなたも嬉しいでしょう?」
舌打ちするゴウメイ

うたかた荘の浴場
(「『のぞかない 清き魂』BY明神」と張り紙がある)
湯につかっている姫乃と澪
「は――… 生き返る――…」
「しっかり寝るんだぞ キャシャなくせに 派手に動き回ったんだから」
「…澪さんみたいな 案内屋さんもいるんだね…
男の人しかいないと思ってた」
347 ◆xv3PhvD28k :2006/06/08(木) 20:40:56 ID:5vE3enjs
「―― 強くなりたかったからな
おかげで こってり絞られる 修行の毎日だ
十年前… あんたの母さんの魂は パラノイドサーカスに奪われた
今まで 2匹程度でつるんでた人間願望の 組織的な行動だ
雪乃の所在が 何故バレたのか… 今でも分かっていない
あの年は… 戦いだった
雪乃の魂の奪還が 失敗に終わり 多くの霊能力者と 案内屋の犠牲が出た
最悪の一年
――… 今!! 再び… ここがふんばり所なんだ
あんたを守り 無縁断世の活動を食い止める
そして パラノイドサーカスを壊滅させる」
黙ってどこか呆けたような表情で話を聞く姫乃
「あんた何!?なんでそんなに落ち着いてんの?
なんで あんたが 狙われてるとか 聞かないの?」
「え あ うん… えっとね 頭こんらんしちゃって…
色々あったから…!
――お母さんが生きてるかもしれない…
それだけで 嬉しいのに みんなが『一緒に探そう』って
だめですね 私 嬉しすぎて 頭がいっぱいなんです」

一方、浴場の前で「よし!!行くぞツキタケ!!」と
真っ赤な顔でのぞきを決行しようとするエージ
この状況であの巨乳を覗かない奴は男じゃないと言われ
更に真っ赤な顔でうろたえながらも賛同しようとするツキタケ
…の目の前に無垢な目のアズミがあらわれ、たじろぐ二人

風呂の湯船で寝入ってしまう姫乃
ふっと息をつく澪「… おかしな奴」
寝入っている姫乃の肩を軽く叩く
「…よく頑張ったよ あんた」

そして外でひたすら待つゴウメイとグレイ
348 ◆xv3PhvD28k :2006/06/08(木) 20:41:55 ID:5vE3enjs
朝日がさす時刻、寝ている姫乃
居間にいる明神とガク
明神「…キズがふさがった 全快ってわけじゃねえが
これならいつでもいけるぜ」
澪「ふざけるな 梵痕を使いこなせていないお前に 何ができる
――さっきまでの キサマの右腕のハレは いわゆる剄のオーバーヒート
梵痕という 高出力エンジンに お前の体がついていけていない証拠だ」

 空の梵痕持ちは 完全な肉弾戦闘

厳しい表情の澪「お前の師匠が 異天空間を下ろしたゴウメイとやった結果は
全治10ヶ月の重傷
今のお前なら 持って3分ってところだ
使いこなせていなければ 何の役にも立たん!
教えてやるよ オマエの師匠(アイツ)の剄の総量は
オマエの十分の一以下だ
私はまだ お前を 案内屋としても 認めちゃいない」
明神「…オイ だから… アイツは もう」
澪「…ウルサイ…!!
黙ってろッ!!!」
言葉を飲み込む明神の後ろに、ガクがハンマーを持って現われる
「ひざまくらの…仇!」
なぜかイヌの絵が描かれた巨大ハンマーが明神を襲う
「秘奥義!!マジカル・オーロラ プリティ・グレーター・
スイスマウンテンドッグ・明神殺しッ!!!」
きわどくハンマーをよける明神
「なんだその…ド適当かつオレ限定の必殺技はッッ!!」
「ひめのんのひざまくらの仇ッッ!!
オレは…!!お前を殴らなきゃならない…!!」
「”殺し”って聞こえたが!?」
349 ◆xv3PhvD28k :2006/06/08(木) 20:42:48 ID:5vE3enjs
ハンマーのバー越しにギリギリと攻防戦を繰り広げる二人
明神「さっき あの女にゆらぎそうになったくせに」
血を吐くガク
「違う…!確かに”触れられる”という言葉に揺らいでしまったのは事実…ッ!
だが…
オレは あの戦いで気付いた 大事なのは 心と心が触れあう事…!!
もう引き返すつもりはない たとえ 触れられなくても ひめのんが好きだ
すきだよ ひめのん ラブすぎ」
明神「アズミを練習台にするな」
後ろ向きのまま明神「―――… おまえさあ
焔狐 食ったんだって? ――どういう事か わかってんのかよ」
ガク「――― 関係ないだろ お前にはよ」

一方、澪に見つけられるエージとツキタケ
「大人しく治療を受けろ このエロガキどもが」
覗きの罰も受けろといわれ逃げ惑う二匹、追う澪

そしてさみしくまだ待ちつづけるゴウメイとグレイ

PM0:00
雷雲の中「うーん いい朝! じゃ 今日も元気にガッコ行ってまいりまーす!
!」
外に出ようとする姫乃の前にゴウメイ
「…おっとっと カバン忘れてた!」
いけないいけない、と戻る姫乃
どんぶりめしを握りばしで食っている明神
お昼の幼児番組(ス○ーがいるような気がする)にあわせ踊るアズミと地蟲
「どーすんだ結局」とつぶやくツキタケ
350 ◆xv3PhvD28k :2006/06/08(木) 20:43:49 ID:5vE3enjs
そのとき、突然雷雲が一部円形にくりぬかれる
ゴ「ッ…!! 何で来てんだよ アイツ」
現われたのは髪をオールバックに黒い西洋僧服らしきものを身につけた男
「おーおー いたいた サルにウサギ!!
現状は どうなってる?」
窓の中から見る澪「ミズチ…ッ!!めんどうな奴が来た…!!」
ミ「オメーら オレが朝弱えーの知ってるくせによ
置いてくなよ 仲間だろ?」
ゴ「お呼びじゃねえんだよ ヘビ」
ミ「うはー キッツイなァ 嫌われ者はよ!!
アララララァ 結界貼られてら♪」
グ「帰れ 邪魔だ お前がいると 計画通り 事が運ばない…!!」
ミ「ウヒヒヒヒヒ のんびりお昼寝こいてるウサギさんが 何か言ってらァ」
目を不快げに潜めるグレイ、袖から細いヘビを幾匹も出すミズチ
「一つ 教えてやろうか」
ミズチが手を振ると、ヘビは遥かに飛んでゆく
「”計画”ってのはな 結果出せば成功なんだ」
ヘビは近くの山の地面に落下し、激しい火柱が上がる
ミ「メンドくせぇのは ナシだ
キヨイには みんなで 口裏合わせましょ♪」
ゴ(不快げ)「そっちの方が メンドクセェ」

燃え上がる一角に悲鳴が上がる
「爆発だァ みんな避難しろ!!」

うたかた荘に呼ばわるミズチ「次はどこ吹っ飛ばして欲しい!?
結界外して出て来い!!
オレ達と いい事しようぜえ…」
「私が外に出る」
「オイ!!」と叫ぶ明神を後ろにする澪
「大人しくしてろ 姫乃を守れ」

次回に続く。