「ひあっ……もうダメぇ……お姉さま……ごめんなさい……わたし……ああっ!」
「んっ……ちゅぱっ……お姉さま、三奈子さんもそろそろみたいです」
「びちゃっ……くちゅっ……ふう。そうみたいね。さあ、真美ちゃん。我慢しなくていいのよ。愛しのお姉さまと一緒にイきなさい」
「ふあっ……あっ、ああっ、んああああーっ!」
「真美ぃ!……あっあっあっ、ああんっ!ま、真美ぃ!ああーっ!」
絶頂に達して、ぐったりと倒れ込んだ三奈子と真美。二人の片手が、堅く握り合わされているのを見た江利子は、くすりと笑った。
「本当に、仲のいいことね……」
姉妹の絆の欠片が、淫靡な香りの漂う部屋に、一筋のきらめきを残していた。
そして次の週が来た。三奈子と真美は、あらかじめ由乃に言い含められている。
「今週も“勉強会”をするから。二人とも、また取材に来るわよね?」
それは、質問の形を取った事実上の命令だった。三奈子は真美の片手をしっかりと握りながら、ただ力なく頷くことしかできない。楽しそうに去っていく由乃。その後姿を見送りながら、三奈子はうめく様に言った。
「ごめんなさい、真美……こんな事になったのも全部、私のせいだわ……許してとは言わない。でも、せめて貴女がこれ以上辛い目に遭わなくても済むようにしたいの。それだけは、分かってちょうだい」
「……どうするんですか?」
「ロザリオを、返して」
「……そんな!?」
それは、三奈子なりの誠意のつもりだった。
姉妹関係を解消することで真美に対する責任を取り、三姉妹に対しては真美にこの事を絶対に口外しないと誓わせる。あとは、自分一人が彼女達に弄ばれればそれでいい。それは同時に、真美が約束を破らないことを保証するものでもある。
江利子達も、三奈子という保険があれば納得してくれるだろう───そう説明する三奈子の表情は、真美が今まで見たこともないほど優しかった。
「ダメです……お姉さま、そんなの絶対に嫌です!」
「真美、お願いだから……」
「お姉さまが私を嫌いになったら捨てるって言うなら別ですけど、自分から妹をやめたいなんて考えた事もありません。お姉さまが私を必要としてくれる限り、私はお姉さまの妹です!」