ネギま!ネタバレスレ94時限目

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916名無しさんの次レスにご期待下さい
それから一週間近く、三奈子と真美はほとんど口も利かなかった。
思いつめたようにふさぎ込む三奈子と、不機嫌そうにしている真美。他の新聞部員達も、そんな二人の姿に居心地の悪さを感じる時間が過ぎ、そして───

また日曜日がやって来た。それまで、真美は何もしていなかったわけではない。
それとなく黄薔薇姉妹の会話に聞き耳を立て、日曜にまた“勉強会”が行われること、その場所は島津由乃の自宅であること、三奈子がまたそこに行くらしいこと、などの情報を掴んだ。

「こうなったら、行くしかないよね……」

そして日曜の午前、少し迷った末に真美は島津家を発見した。外見には、ひっそりと静まり返っているその家。
何の変哲も無い。しかしその刹那、真美は自分の前頭葉付近に何かが閃いた様な感覚を覚えた。上手く言えないが、何か大変な事が───

(見えるわ……私には、何かが見える!ここでは、良くないことが起こっている……)

意を決した真美は、息を吸い込むと呼び鈴を鳴らした。
その時、二階の閉められたカーテンがわずかに開き、また素早く閉じられた事に彼女は気付かない。
焦燥に駆られながら待っていると、しばらくして玄関から由乃が出てきた。少し息を切らせている。

「あら、真美さんごきげんよう。今日は何の御用かしら?」
「ごきげんよう、由乃さん。ここに、私のお姉さまが来てると思うんですが」
「……ええ。いらっしゃってるけど。あなたも取材?」
「そうです。中に入れていただけますか?」
「ごめんなさい、ちょっと待っててもらえる?」
「……はい」

由乃はきびすを返すと、家の中に消える。待っている間にも、真美は体内で膨れ上がる焦燥感を持て余していた。しばらくすると由乃が戻ってきた。

「どうぞ、真美さん。今ちょっと立て込んでるけど、入って」
「お邪魔します」

真美は、由乃の後について家に上がり、階段を上がって行った。
後ろからは由乃の表情は見えないが、その歩き方からは楽しそうな雰囲気が伝わってくる。それが
先刻感じた違和感と合わせて、奇妙に不安な気分にさせる。

(一体、何がどうなってるんだろう……)
そう思った時、由乃が振り返って言った。

「ここよ。いらっしゃい、真美さん。入って」

促されて我に返った真美は、ドアのノブに手を掛け、回して開けた。そこには……