ネギま!ネタバレスレ94時限目

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 新聞部。
それは、お嬢様学校であるリリアン女学園にあって、急進的とも言える路線を貫く組織だった。
放課後、クラブハウスの一角にある部室で、部長である築山三奈子は部員達を前にしていた。

「さて皆さん、先日の『黄薔薇革命』では色々とありがとう。お蔭で、大スクープをモノにすることが
出来ました。改めて私から、お礼を言わせてもらうわ」

そう前置きをして、三奈子は頭を下げる。ぱらぱらと拍手が沸いたが、どこか遠慮がちな気色が
ないでもない。皆、この後に来るものを予想しての事だった。案の定、次の瞬間にそれは始まった。

「しかしっ!!」

(来た!)
部員達は密かに目を見交わし合った。部長はここからが長い。
「読者は常に、新鮮な話題を求めてやまないもの。リリアンかわら版のさらなる発展のためには、
継続的に読者に話題を提供する事が必須条件となります。そこで皆さんっ!」
どん、とテーブルを叩いて続ける。

「話題は生もの、時間が勝負。今多数の読者が食いつくネタと言えば、やはり山百合会に関する
ゴシップ……いえ、スキャンダル記事……じゃなかった、衝撃のニュースであることは、改めて言うまでもあ
りません。そこで私は、今一度『黄薔薇革命』に匹敵する大スクープを掴むために、部員の皆さんに一
層の奮起を促したいと思います!そのためには、山百合会の幹部達に張り付いて、あらゆる角度から
アタックを試みなくてはなりません。必要とあれば、脅しにすかしに泣き落とし、どんな手でも使って───」

「部長、少し落ち着いてください」
その声は、部員達の一角から発せられた。三奈子は渋い顔をして演説を中断する。声の主は、彼女の妹
である山口真美であった。三奈子の心中など、意にも介さないように真美は続ける。

「あんまり無茶な事をしてると、山百合会だけじゃなくて学校側からも睨まれちゃいますよ?ただでさ
え、最近の新聞部はやりすぎだって言われてるんですから。あれだけの大スクープの後だからこそ、こ
こはあえて慎重に行かないと」