微妙に変化を付けて蠢く乃梨子の指に、志摩子の限界が近付いてきた。
それを示すかのように、抽送を繰り返す乃梨子の指を膣壁が更にぐっぐっと強く
締め付ける。
すると、もう果てる寸前だった所に、再び乃梨子の舌が肉芽を転がしてきた。
「あ、ああっ!は、あん……、ああ、あぁぁっ……!」
中を掻き回している指に意識が集中していたので不意打ちを食らった感じになり、
予想外の刺激に志摩子は無防備に嬌声を上げた。
乃梨子の指は変わらず激しく体内を行き来しており、唇と舌は快感で硬くなった
肉芽をねっとりとねぶるように、執拗な愛撫を繰り返している。
膣内と肉芽の両方に同時に愛撫を受け、志摩子は秘所から湧き起こる快感に
今度こそ耐え切れなくなった。
自分の脚の間に顔を埋めている乃梨子の頭に、すがるように両手を延ばす。
その黒髪の中に手のひらを埋めると、すぐにその手に乃梨子の空いた片手が
重ねられた。
そしてそれと同時に、志摩子の中で抽送を続けていた乃梨子のもう一方の手の指の
動きが、さらに速くなった。
「乃梨子、乃梨子っ」
声を震わせながら乃梨子の名を呼び、重ね合わせた手の指を絡ませ、きつく握る。
すると乃梨子の手が、自分の手をしっかりと握り返してきた。
乃梨子と強く繋がった手の感触に志摩子の心は満たされ、同時に肉体は快感の波に
さらわれた。
「あ、あ、ああぁっ……!」
志摩子は乃梨子の熱い愛撫を自分の中心に感じながら、細い身体を震わせ快感の
絶頂へと昇りつめていった。
志摩子は荒くなっていた息遣いが徐々に収まるのを感じながら、うっすらと目を
開いた。疲れたのだろうか、乃梨子は志摩子の隣で眠っている。
自分が果てた後、乃梨子に強く抱きしめられたような気がするのだが……。
志摩子はよく覚えていなかった。しばらくの間、少し朦朧としていたのかもしれない。
今日の乃梨子はいつもよりも激しかった。
起こしてしまわないように気をつけながら、すぐ側にある真っ直ぐな黒髪をそっと
撫でる。
「ん……」
志摩子に触れられ乃梨子は僅かに身じろぎをしたものの、起きる気配は無かった。
今日はこのまま泊まらせよう。
志摩子は乃梨子の髪を撫でながら、そう思った。
乃梨子は強い。
自分の心の内を吐露したことによって、きっともっと強くなるだろう。
目覚めた時には、また笑顔を見せてくれる。その確信が、志摩子にはあった。
そう、自分は乃梨子のことを信じているから……。
瞳を閉じ眠るその頬に涙の跡を見つけ、志摩子はそっと手を添えた。
「乃梨子……」
ごめんなさい。
その言葉を口に出せない代わりに、志摩子はそっと乃梨子の涙の跡に口接けた。