ネギま!ネタバレスレ94時限目

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志摩子に心配をかけていたことに後悔の念を覚えたが、それでも乃梨子は何から
話せばいいのかはまだ分からずにいた。
そしてそんな乃梨子の代わりとでもいうかのように、志摩子は話を進めてきた。

「悩み事があるのではないの?それに何か、私に遠慮しているみたいに見えるわ。
今日の帰りは特に……」
「遠慮なんてっ」

遠慮どころか、その反対なのだ。話すべきことが見えてきたような気がして、乃梨子は
志摩子の言葉を遮った。

「遠慮なんて……私、なんだか最近志摩子さんのことが気になってしょうがなくて」
「それは、私のことを好いていてくれるからでしょう?」

優しく語り掛ける志摩子の柔らかな声音に促されるように、乃梨子は俯きながらも
話し続けた。

「そうだけど……。でも、志摩子さんの心の中とか、そういうところも知りたくなってきて。
知りたいだけじゃなくて、もっと……もっと深く入り込みたくなってきちゃって」

今までは何のためらいも無く志摩子に近付いていけた。なのにどういう訳だか最近は、
その距離の取り方が分からなくなってきたのだ。
そう、志摩子との距離が縮まれば縮まるほどに……。

「私も乃梨子のことなら、なんでも知りたいと思っているわ」

志摩子のその言葉は、乃梨子には嬉しいものだった。志摩子だって、きっと同じ
気持ちなのだろう。
そう分かってはいるのだが、何故だか割り切れないものもまた乃梨子の心の中には
溜まっていた。そして乃梨子はそれを吐き出すように、言葉を続けた。

「私、自分がこんなに執着心が強い人間だなんて知らなかった。すごく自分勝手な
気がする。ごめん、ごめんね、志摩子さん……」
「乃梨子」

苦しげに呟くと、俯いた視界の隅で志摩子がゆっくりと、立ったままの二人の間の
距離を詰めてくるのが見えた。

「謝ることなんてないわ。誰にだってそういう感情はあるもの。私だって……」

志摩子は一呼吸置いて、話を続ける。

「私だって、あなたが他の人と仲良く話しているのを目にした時、少し嫉妬したわ。
きっと、あなたの一番になりたかったのね」

その言葉を聞いた乃梨子は俯いていた顔を上げ、志摩子の瞳を見つめ答えを返した。

「志摩子さんは、私の一番だよ……」
「乃梨子だって、私の一番だわ」