ネギま!ネタバレスレ94時限目

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860名無しさんの次レスにご期待下さい
 私をストーキングしている可南子ちゃんが、花寺の学園祭に行かないでください、などと言い出した。
 聞けば、男は危険で私を狙っているとかいうことらしい。妄想もここまでくれば賞賛に値する。
 可南子ちゃんがここまで男を敵視するのは、どうもお父さんに理由があるらしい。人の家庭の問題に首を突っ込むのが好きな私は、それとなく聞いてみることにした。
「可南子ちゃん、なんでそんなに男の人を嫌うの?」
 と、私が尋ねると、可南子ちゃんが頬を染めて口篭もった。
「そ、それは……」
 人には言えない話らしい。そうなると、ますます聞きたくなるのが人情というものだ。 
「ねえ、教えてくれない? 場合によっては、私も男に対する認識を改めなければいけないと思うし。お姉さまには悪いけど、花寺に行くことも考えさないと」
 可南子ちゃんがパァと顔を輝かせた。宗教の勧誘に成功したときは、こんな顔をするのかもしれない。もっとも、今の獲物は可南子ちゃんのほうだが。
「わ、私……父に……です」
 顔を真っ赤にしながら、ボソボソと話し出す。長身をブルブルと震わせているのを見ると、よっぽど屈辱的なことなのだろう。

「よく聞こえないよ、可南子ちゃん」
 そう言いつつ、私はポケットに忍ばせていたMD録音機のスイッチを押した。このさいだから、しっかり証拠を残しておこう。月並みだが、『このことをばらされたくなければ』と脅迫しちゃうのも面白いかもしれない。
「私、父に犯されたんです!!」
 と、可南子ちゃんが泣きそうな表情で言った。
 なるほど、リリアン育ちにとって、一番身近な男はお父さんだ。それにレイプされたのでは、全ての男に嫌悪感を示すのも無理はない。
「可南子ちゃん、それいつの話? どんなことをされたの?」
「そんなこと、思い出したくもありません」
「そうは言われても、もっと詳しく言ってくれなきゃわからないよ。それとも、嘘なの?」
 天使の祐巳ちゃんは『犯された』なんて想像できません、そういう設定でいくことにした。
 いつもの天然ボケフェイスで尋ねると、案の定、あっさりと引っかかってくれる可南子ちゃん。
「私が十三歳のとき……その時から私は背が高くて、胸も他の子に比べて大きかったんです。ある日、私が部屋で着替えをしていると、たまにしか帰ってこない父が入って来たんです」
 そういえば、可南子ちゃんはけっこう胸も大きい。ちょっとむかつく。
「私は出ていってと言いました。でも酒に酔っていた父は、いきなり私を押し倒したんです。私が抵抗すると何度も殴ってきました。抵抗をやめると、汚い手で私の体をまさぐって……うう……」
 あ、言葉に詰まってきた。ここからがいいところなのに。
 可南子ちゃんの腕をきゅっと抱きしめて、勇気をわけてあげることにした。簡単に勇気づけられた可南子ちゃんは、再び口を開く。