「ふう……」
風呂上りで湿った髪をゴシゴシと拭きながら、令は自室のベッドに腰を下ろした。
今日買った文庫本でも読もうと思ったが、すぐここには無いことを思い出す。
「そうか、祐麒君に貸したんだ……」
祐麒にはもう読んだと言ったが、実は自分も今日買ったばかりだった。そうでも言わないと受け取りそうにないと思ったからだ。
「しかし、いきなり来たのは驚いたなあ」
見知らぬ男に取り囲まれた時、周りからは気丈に振舞っていたように見えただろうが、内心ではビクビクと震えていた。力ずくで突き飛ばされたときはもうだめだと思った。
だがその瞬間、祐麒に助けられた。いきなり飛んできた祐麒を見たとき、まるで夢を見ているような気分だった。
そう、まるで
「絵本に出てきた王子様、みたい……」
ポツリと呟いた言葉に、赤面する令。
「なに言ってるかな、私。祐麒君だって、私みたいなの嫌だろうし……」
そう言って、部屋に置かれた長方形の姿写しに目を移す。他人からは賞賛されるが、美少年にすら見える長身と顔立ちは令にとってコンプレックスのひとつだった。
パジャマの前を開けて、地味なブラジャーに包まれた胸を出す。ズボンも脱ぎ、白いショーツを纏った下半身を露出させた。
「……こうしてれば、ちゃんと女っぽく見えるかな」
鏡の中に、下着姿にパジャマの上だけを羽織った自分の姿がある。グラビア撮影のように、ポーズをとってみた。少し筋肉のついた二の腕が気になるが、意外とサマになっているのではなかろうか。
「ちょっとエッチかも……」
スルリとパジャマを脱ぎ、ブラジャーのホックも外す。少し体を動かすと、ハラリとブラジャーが落ちた。
「あ……」
大き目の乳房が、鏡に映っている。トレーニングの賜物か、ブラジャーなしでも重力に引かれることなく、美しい形を晒していた。
だが令の目を引き付けたのは、その先端である。薄い色の乳首が、何かを主張するように固くしこっていた。
「う、うそ……」
咄嗟に胸を押さえるが、腕の下で胸が潰れる。その感触が、ゾクリと体の奥に響いた。
「やだ、私……」
胸を潰した感触が、お腹の中で燻っている気がする。そしてそれは、下半身にも影響を与えていた。
下腹部のさらに下を、ショーツの上から撫でる。体がビクリと震え、指先に布以外の感触を残した。気がつけば、いつのまにかかすかな湿り気を感じる。
「そんな……私、なんで……」
ショーツの上から割れ目をなぞった。同時に、胸を押さえた手をゆっくりと上下させる。
乳房が揺れ、乳首がこすれるたびに、鈍い感触がジワジワと令を苦しめていく。指先を見れば、べっとりとした粘液が付着していた。
それを口元に運び、まるで幼児のようにチュパチュパとしゃぶる。
「パンツ、汚れちゃうよぉ……」
長く美しい足から、ショーツをスルリと引き抜いた。脱ぐ瞬間、ヴァギナから溢れた粘液が、ショーツに糸を引いていたのを見て赤面してしまう。