ネギま!ネタバレスレ94時限目

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849名無しさんの次レスにご期待下さい
「はい。じゃ、次。乃梨子ちゃん」
「えっ」

早くも話を振られた乃梨子ちゃん。
いえ、私たちは別に……なんて言っているけれど。乃梨子ちゃんに似合わず、ちょっと
目が泳いでいる。
そして由乃さんは、「全てお見通しなのよ」というような表情を浮かべてこう言った。

「またまた〜。最後までいったんでしょ。今朝のあなたたちを見てれば分かるわよ」
「最後までって!どうして分かるんですかっ!?」

ガタンと椅子を蹴立てて立ち上がった乃梨子ちゃん。
クールな乃梨子ちゃんがそんな分かりやすい反応をしてくれるなんて、ちょっと意外。

「おめでとう、乃梨子ちゃん。私はあなたを信じていたわっ」

うんうんと頷く由乃さんに手を握られ。

「乃梨子ちゃんって、志摩子さんのことになると分かりやすくなるよね」

ボケキャラであるはずの祐巳にまでツッコミを入れられ。

「えっとですね……」

乃梨子ちゃんは言葉を詰らせ真っ赤になった。
でもこういう乃梨子ちゃんもなんだかかわいいなぁ、なんて祐巳は思う。

でもそっか。志摩子さんと乃梨子ちゃんも結ばれたんだ。
おめでとう。祐巳は心の中で、二人にそう言った。

「はい、最後は祐巳さんが報告する番よ」

乃梨子ちゃんを座らせると、由乃さんは祐巳に向かって言った。
しょうがない。二人だけに白状させて自分だけ内緒にはできないしね。
祐巳は昨夜のことを正直に話すことにした。二人の戦果に比べたら、ちょっと見劣りするかも
しれないけれど。

「キスを、少々」
「少々って、どれくらい?」
「ほっぺに。チュって」

それだけでした、と報告を終える。
それ以上はできなかったけれど、でもあの時は、確かにそれで満足だった。
そんな祐巳の気持ちが、由乃さんにも伝わったのか。

「ふうん……。まあ、祐巳さんにしては良くやったってところかな」

「キスだけなんてダメじゃない」と言われるかと思いきや、祐巳の報告は意外にも由乃さんを
満足させたようだった。


「でも祥子さまにキスするなんて、勇気がいったでしょ」
「……いえ。祥子さまからされたんです」
「紅薔薇さまが。結構やりますね」
「祐巳さん、まさか。上級技の『誘い受け』を実行?」
「それはすごいです、祐巳さま。何気に侮れませんね」
「そうそう、私ってこう見えて実は攻め属性……って、ちがーう!」

もしかして、からかわれてる?そう祐巳は思ったけれど。
でもほんの少し楽しくて、そしてすごく幸せだったのも、また事実だったのである。