そして志摩子さんの胸にそろそろと手を延ばすと、寝巻きの上からではあるが、柔らかく温かい
その胸の感触が、確かに手のひらに感じられた。
志摩子さんのことを喜ばせたいけど……。さすがにこの後、上手くできるかどうか。
こんなことは初めてだった乃梨子は、高揚した心とは裏腹に、身体を上手く動かすことが
できないでいた。
そんな逡巡を心中に抱え、乃梨子が身体を少しずらそうと脚を動かしたその時。
志摩子さんの唇から「んっ」と小さな吐息が漏れた。
志摩子さんのその声に乃梨子は一瞬「どうしたんだろう」と思ったが、もしかしてと
思い当たり、志摩子さんの脚の間に入り込んでいた自分の片脚を、志摩子さんの秘所に
押し当てるようにして軽く上下に動かしてみた。
「……ぁっ!」
志摩子さんの唇から、また声が漏れた。目が閉じられたその顔は、少し切なそうに眉が
寄せられている。乃梨子の脚の動きに合わせて、志摩子さんは確かに悶えていた。
(やっぱり気持ちいいんだ……)
そう確信した乃梨子は、志摩子さんの背中に両腕を回し軽く腰を抱えるようにすると、
思い切って脚の動きを激しくした。
「やっ……乃梨子……っ!」
志摩子さんの息遣いが激しくなり、乃梨子が脚を押し当てる度に、悩ましげに身体をくねらせている。
このまま志摩子さんを最後まで……。
そう思って脚で志摩子さんの腰をゆすっていると、悶えた志摩子さんの脚が僅かに跳ね、
乃梨子の脚の間に入る形になった。
「あっ!」
そのはずみで志摩子さんの脚に自分の秘所を刺激され、攻めることに夢中になっていた乃梨子は
自分が感じた快感に驚き、思わず声をあげた。
突然の乃梨子の声に驚いたのか、志摩子さんが今まで閉じていた目を開く。
志摩子さんと目が合った。
とろんとした眼差しで見つめあった二人は、その瞬間お互いの意図が分かったような気がした。
志摩子さんが脚を少し立てるようにし、乃梨子の両足の間に自分の片脚を挟み込む。
それを合図にしたかのように二人は互いを抱きしめ深い口付けを交わし、乃梨子は再び志摩子さんの
秘所を自分の膝で責め始めた。
そして同時に志摩子さんの立てた脚のももの辺りに、自分の秘所を押し当てるようにして
腰を動かすと、あっという間に下腹部に熱い快感が沸き起こってきた。
「あっ……志摩子さん、んっ」
「乃梨子…はぁっ、ぁっ」
互いの脚で、互いの敏感な個所を刺激する。
時間と共に二人の息遣いが激しくなり、徐々に高まる快感に顔を歪ませた。
自然と脚と腰の動きが速くなる。
そして訪れた絶頂の予感に息を飲み、身体を震わせ――きつく抱きしめあいながら、二人は共に果てた。