ネギま!ネタバレスレ94時限目

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839名無しさんの次レスにご期待下さい
聖は一気に屋上まで来ていた。
別の場所で朝礼でもしているのか、どうやらこの校舎に生徒はいないようだったし、
教室にも入れず途中の階の廊下で挟み撃ちになるよりはマシかと思ったのだが……。
かといって、この屋上で何ができるという訳でもないのだった。

舌打ちしながらきょろきょろと周りを見回した聖の目に、非常消火用のホースが収納してある
金属製のボックスがとまった。
確か何かの外国映画で、テロリストと対決する主人公がホースみたいなのを身体に巻きつけて
屋上から飛び降りるってのがあったっけ。
そう思い出し、屋上の端に駆け寄りフェンスから下を覗く。

「うわ。高っ」

こんなの降りられるわけないじゃん!
心の中でそう愚痴りながらも、ボックスの蓋を開ける。
のんびりと考えている暇はない。
あの男が途中の階も調べていたとしても、この屋上まで辿り付くのにそうは時間は
かからないだろう。

聖は素早く非常用ホースをガラガラと引き出し、男の仲間が残っているだろう中庭とは
反対の方へ引きずって行った。




286 名前: ソドム-祐巳・聖編(3-3) 投稿日: 03/11/09 13:41 ID:n49y3Acv

「くそっ、何て女だ」

屋上に走り込んできた男は、フェンスを越えてだらりと下に延びたホースを目にすると、
諦めたようにそう呟いた。
フェンスから下を覗くが、もうそこには女の姿は無い。

あの女、私服だったところを見るとこの学校の生徒ではないらしいが、かといって
教師にも見えなかった。
一体なんなんだ。
とりあえずその疑問は横に置き、男は懐から無線機を取り出すと仲間に連絡した。

「俺だ。逃げられた。まったく、命が懸かってると人間何をするか分からねえな」

こんな高さから降りるなんて、火事場のバカ力か?
最後にそう呟くと、男は腹立ちまぎれにボックスに一蹴り入れ、階段を下りその場を後にした。

(ふう、引っかかってくれたか)

屋上の反対側の柱の陰にある隙間に隠れていた聖は、男が階段を下りていくのを確認し、
ほっと息を吐いた。

(あんなホースで屋上から降りられる女子大生がいるんなら、是非ともお目にかかりたいわ)

とりあえず、もうしばらくはここに身を潜めることにして。
なんとか下に降りなくては。それまで祐巳ちゃん、大人しくしててよ。

今日はたくさん走ることになるかもしれない。
そうも思った聖は、一人静かに呼吸を落ち着けることに専念し始めた。