ネギま!ネタバレスレ94時限目

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「こいつ、なかなかいい女じゃねえか」

黒いシャツの男が祥子の顔を覗き込んでそう言った。
祐巳を逃がしたい一心で男に組み付いた祥子だったが、やはり腕力では男に敵わずに地面に
組み伏せられてしまったのだ。自分の横では、令がもう一人の男の手によって後ろ手に縛られている。
下卑た笑いと下品な言葉を投げられた祥子は露骨に嫌な顔をしたが、この状況で憎まれ口を
叩くのは得策ではないと、抗議の言葉を口にするのはすんでのところで思いとどまった。

「おい、犯るんなら中に入ってからにしろ!俺達は今の奴等を捕まえてくる」

薔薇の館の中から出てきた男が、祥子を押さえつけている男にそう言う。

「別に俺が犯るわけじゃねえよ。せっかく女が二人もいるんだ、もっと他の楽しみ方を
 するんだよ」
「ともかく、あと何人か応援を回してもらえ。見張りがお前一人だけじゃ心配だからな」

どうやら自分たちは、この男たちによって薔薇の館の中に監禁されるらしい。
ただでさえ男に触れられて気が遠くなりそうなのに、この上監禁とは。祥子は不快さと
恐ろしさで叫び出しそうだった。しかし、そうだ……。令が一緒にいるのだ。
祥子は自分は独りではなく信頼している親友と一緒にいるのだということを思い出し、
自分の気持ちを落ち着けた。

ともかく、自分の事はこれから考えればいい。
しかし祐巳は……祐巳は、無事に安全な所まで辿り付けるだろうか。
今のこの学園に安全な場所などあるのかどうか。それは不明だったが、祐巳さえ無事で
いてくれれば……。そういえば何故だか分からないが、聖も一緒にいた。
祐巳も自分と同じく独りではなく、聖に連れられ逃げているのだと思うと、祥子は少し安心できた。

(祐巳、無事に逃げ延びてちょうだい……)

男に引き立てられながら、祥子は心の中でマリア様に祈りを捧げた。

一番近い校舎の中に逃げ込んだ祐巳と聖の二人は、三階まで階段を駆け上がると
次に廊下を走り出した。
男たちの仲間がいるかもしれないのに、校舎の中に逃げ込んだのは間違いだったか。
聖は一瞬そう後悔した。
しかし一年生が教室にいるはずのこの校舎は、主を失い何故かしんと静まり返っていた。

「聖さま!私やっぱり、お姉さまのところへ……!」

廊下の真ん中あたりまで来ると、急に祐巳が足を止め、聖に引かれていた手を振り解こうとした。

「駄目よ祐巳ちゃんっ」
「どうしてですか!」
「私たちまで捕まっちゃうわけにはいかないでしょう」

立ち止まった祐巳の腕を離してしまわないように、聖は手に力をこめたまま祐巳を説得する。

「そんなことっ。たとえ捕まっても、やっぱり私……お姉さまと一緒にいたかった!」
「祐巳ちゃん……」

祐巳の気持ちも分かるだけに、聖は言葉を詰らせ一瞬困惑した。