その翌日。
可南子は乃梨子の傍に行くと、乃梨子に尋ねた。
「小説を書いたこと…?ちょっと知らないわ。」
「で、でも…。」
可南子は一枚の紙切れを手渡した。
乃梨子が一瞬睨んだかのように見えた。そして、乃梨子は可南子の手を引くと、そのままどこかへと連れて行く。行き先は…。
そこは、古い温室に近い木の裏。
乃梨子は繋いだ手を放すと、低い声で言った。
「読んだんだね。あれを。」
可南子は静かに首を縦に振った。
その直後に、乃梨子の唇が可南子の唇を塞いだ。乃梨子の舌が口内を、激しく凌辱していく。
可南子は、無理矢理に乃梨子を引き離した。
「やめてください!」
「本当にやめてほしいの?」
乃梨子の手が可南子のスカートの中に入っていく。
「んっ!やめっ、やめて!」
「ふふっ。強気だね。」
乃梨子の手は次第に、足の付け根に近づく。
しかし、もう少しの所で可南子の手に阻まれた。
「の、乃梨子さん…。止めないと…怒りますよ。」
「可南子さん。これを見ても、強気でいられるかな?」
乃梨子は可南子の視線を温室へと向けさせた。そこには…。
「う…うそ?祐巳さま…。」
そこには志摩子に抱かれた祐巳の姿があった。
可南子には目の前の光景が理解できたが、とても信じられなかった。