晴美ちゃんが、メガネの位置を直しつつ、ぽつんと言った。
「あの…さっきは特に言わなかったけど…私もバージンだよ…」
「え?そうなの?」
「うん。別に見せる必要もないと思って見せなかったけどね、処女膜。今見せよっか?」
「…もういいわ、きっとそれもけっこう大変なんでしょ。でも、他にいない?バージンの娘。」
きっちりちゃん(立ち直ったらしい)が、そう言いつつみんなを見回す。彼女のおっぱいもつられて左右
に揺れる。なんだか、おっぱいもキョロキョロあたりを見回してるみたいだ。
「はーい。」
「え?可符香?あんたバージン?だってさっき見たら膜が…」
「えへへー。私、中学のときに部活で激しく動いたら生理でもないのに血が(以下、使いまわし3回目な
ので略)。だから破けてんの、面白いでしょ、あははー。」
「なんか意外ね…まいいけど。あそうそう、まといちゃんが処女かどうか、だれか知ってる?」
「あたし知ってる。あの子非処女よ、私、昔の彼女の男関係知ってるもん。」
「じゃ、私たちクラスのレギュラーキャラの、9人中3人が未経験者か…」
「たしかうちの学校、どっかの統計だと、処女率って三人に一人の割合だって言ってた…てことは…」
「ちょうど統計どおりなんだ、私たちって。」
皆は納得の顔になった。そして、私の顔を見る。見てにっこりと断言する。
「やっぱ、ほーんとごく普通の娘なんだね、あんたって。」
「 ご く 普 通 っ て 言 う な あ ――― ! ! ! 」
私の叫びが、山々にこだまする。
夕刻が近づき染まり始めた高い空で、トンビがくるりくるりと輪を描いている。
あぁ…私なんだか…
先生が首を吊りたくなる気持ちを、ちょっと理解出来たような気がするなあ。