季節は夏から秋への変わり目で、爽やかな風が吹き抜けてゆく。
まだ紅葉には早い。が、露天風呂から見える山間の木々は、少し色づき始め…トンボや虫の声が秋の近づ
きを感じさせる。暖かいお湯、そして美しくさわやかな景観。
だったらみんなもっと…そう、健全なおしゃべりに花を咲かせてればいいはずでしょ?
なのに。
「うーん、可符香のおっぱいってプニプニだねー。」
「えへへー。でも晴美ちゃんのおっぱいだってまんまるで柔らかいよ。」
「マリアノハー?」
「ちっちゃいねー。」
「こら可符香そんな…」
「やだなあ、ちっちゃいって褒めたんだよ。ちっちゃいと感度とかすごくいいらしいし。」
まーったく…。
なんでこの子たちは「普通の」「人並みな」会話や行動が出来ないんだろ?
私なんか「人並みじゃないように、平凡にならないように」って心がけていても、普通の平均的な言動
になっちゃうってのに。
私達は今、連休を利用し1泊2日の予定でこの山あいの露天風呂のある宿を訪れてます。
絶対ついてくる筈のない霧ちゃんまで来てる(裸で脱衣所に篭りっきりだけど)のには―――つまりこ
んな風に女の子たちだけで旅行にくる事になったのには、成り行きとかいきさつが色々とあるの。
でも、めんどいから略しちゃうね。
あ、それと、まといちゃんだけは来てないから、念のため。
話を戻すと、私たちの今いる露天風呂、すっごく景色いい。柵とか景色を遮るもの、何もないしね。
ちなみに皆さん、こういうシチュエーションでの露天風呂って言うと、当然混浴を想像するんでしょ?
けど残念でした、私たちの今入っているお風呂は混浴じゃありませーん。
いくら最近の女子高生でも、やっぱ混浴のお風呂で男の人の目の前で素っ裸ってのは恥ずかしいよ。