知らない間に、部屋には電気が灯っていた。精液の濃い匂いに思わず咳込む。
風浦さんも仰向けにぐったりと横たわっていて、下半身は大量の白い粘液に塗れている。
十数人いた不法入国の男達は、皆一様に満足した様子で明るく語り合っている。話題は専ら、
私達の喘ぎ声とかおっぱいの質感とか膣の締め具合とか、とにかくそういう下世話な物だ。
最初にマリアを抱いたパウロもその中に混じっていた。一日に女の子三人とセックスしたら、
そりゃあ満足な事だろう。
けれど彼一人を責めても詮無い話だった。別にあの男一人だけがマリアや私を慰み者に
したのならともかく、全員が私達を平等に陵辱したのだから。
私達はそうは行かない。十何人の男に絶え間なく犯され、疲労とダメージを受けていた。
下腹が痛い。アソコがヒリヒリする。疲れ切って動く事も叶わず、このまま眠りたい気分だ。
既に窓の外は暗闇に包まれていた。今何時頃だろうか。
男達がきっちりと列を成して部屋を出て行くのが見えた。
マリアが素っ裸のまま私に寄って来る。あれだけの男たちから陵辱を加えられた割に、
彼女の足取りには全く淀みがない。
屈み込むと、襞のはみ出た性器が私の目の前に迫る。内側の粘膜が赤く充血していた。
「ダイジョーブ?委員長」
ヨッコラショ、と彼女は日本語の掛け声に合わせて私の腕を抱えて起こす。
その拍子に赤く擦り切れた性器から、特有の匂いを持った白濁液がとろりと零れ出た。
マリアは気付いて照れ隠しのようにまた笑った。
「マダ出てるヨ。ミンナ一杯出すカラ困っチャウ」
流石に疲労の色は隠せなかったけれど、ジョギングでもして来たかのような爽やかな表情だ。
風浦さんが仰向けの体勢を取ったまま、しんどそうに腕を上げて胸を覆った。
「あなた――何で動けるの?」
毎日シテるカラ――そう言ってマリアは快活に笑う。
「毎日あんな目に遭って、何で平気なのよ?!」
「ミンナトモダチ、だからカナ。コンテナの中デ服脱がさレタ時ソウ言われたヨ。
『トモダチになろウ』ッテ。私OKしたヨ、ダッテ毎日ご飯貰えるモン。
アレ何で委員長泣いてるカ?」
私はマリアの顔をまともに見られなかった。そんな悲惨な過去をしれっと語る彼女に、
かえって言い様のない痛々しさを感じてしまったからだ。彼女の事を思えば、私なんか
どうでもいい位だ。
マリアの言葉は――
閉ざされている――