正守(黒すすきの化け狐か…これでまたひとつ、力を持つ土地とその主が消える…いずれは烏森も…)
姫「ひとつ取って頂戴、白。フフ…すごいでしょう?私だってまだこれくらいはできるんだから…」
白「あなたがすごいのはよく分かっていますよ。最初に会った時から。」
過去。姫の前で倒れている白。
姫「人間風情がこんな蟲を従えた程度で私と渡りあえると思って?まあ退屈しのぎにはなったかしら…あら、あなた複雑そうに見えて
まっさらなのね。面白いわ。力を求めて来たつもりのようだけど…あなたの望みは力じゃないわよ。」
白「な…それは…」
姫「自分で考えなさーい。」
現在
白「あれからずっと考えてはいたんですが…
過去
姫「そうやってかいがいしく世話を焼いたって、答えはでないわよ。馬鹿みたい。人間の悩みってどこが悩みなんだかまるで分からないわ
ねえ…外の話をして頂戴。私はもう…外に出るのは難しいから…」
現在
白「答えを出さずとも、あなたの傍では楽でいられて…ようやく分かりました。なぜ妖になりきれなかったか。自分に何を求めていたか…
私は人になりたかったんですね。馬鹿ですね。人間らしい人間を見ると心がザワつくのは不快感からくるものと思っていたんです。
たぶん私には彼らがまぶしく、遠かった…もしかしたらあなたよりも。烏森…献上できませんでした。申し訳ありません…」
姫「馬鹿ね…私はわがままを言うのが好きなだけよ…せっかく傷治してあげたんだから…逃げれば…い…のに…人間て…本当にお馬鹿さん…」
姫、白の肩に掛けてた手が狐の前足になり。すすきをおとす。
白「はい。」
変な空間を移動中の正守たち
閃「息はしてるし大丈夫ですよね。」
ジジイ「こやつはアホウじゃが強い子じゃ。大丈夫に決まっとる!」
閃「あ。良守。気がついた!」勢いよく起きる良守「影宮ァ!!」閃「はいぃっ!?」
良守「…平気か?」閃「え?ああ…」良守「そっか。」じじい「人の心配しとる場合かバカタレ!!」
良守「うおっじじい!?なんでここに!?げ、兄貴まで、っていうかここどこ。」
ジジイ「お前のバカのために皆さんこうして集まってくだすったんじゃ!とりあえずあやまれ!」
良守「ええ!?うわ、ハイ、すいませんでした!!」
ジジイ(まったく心配かけおって…)「説教は後じゃ!とにかくここから脱出せねばな」
良守「……火黒は?」閃「消えた。」良守「消えた?」閃「お前の…絶界みたいなので消しとんだ。勝ったよ、お前。悪い…勝負に水刺して」
良守「それは別にいい。勝負しにいった訳じゃねーから。」
正守(よし、とりあえず良守は大丈夫そうだ…だがこっちはギリギリか…全壊する前に抜け道までたどりつけるか)
正守「箱田!他にここから近い出口はないか?」箱田「う〜ん」ジジイ「いや元来た所に戻るべきじゃろ。」正守「しかし急がないと…」
ジジイ「あの抜け道は結界師が作ったもの。つながっているだけでこの異界とは別物、崩壊の影響も受けづらい。しかも…強力な術者が
傍で待機しとる。どれわしも力を貸そうか。正守…お前は破壊するすべばかりに魅入られすぎとる。結界術は、つなぎ創る力でも
あるんじゃぞ。まあ見とれ。少しの間じゃが、ここの周囲だけ異界を支え崩壊を止める。!」
正守たちが乗ってる物にバリア見たいのが張られる。
バレ乙です。
姫ーーーーッ(泣
場面変わって時音たち
時子「時音。分かりますか?」
時音「あばあちゃんの作った道、少し不安定になってきてる…そのもっと先はぐらぐらしてゆがんでねじれてて…
なんだか気持ち悪い…」
時子「それが崩壊の感覚です。引き込まれないよう注意して。」
時音「あ!」(何かこっちに向かってくる!)
時子「時音は道の保持に集中して!こちら側に枠組みを支える感じ、分かりますね!」時音「はい!!」
時子「私は道を延ばして彼らを引っぱりあげます。!!」
異空間
「尻尾の方飲まれて来てます。」ジジイ「くっ」
そのとき前の光から網状の物が正守たちを包む。
時音たち
時子の指から糸状のものがでている。
時音「すごい…おばあちゃんの力に、私まで巻き込まれそう…」
時子「皆さん下がって。」時子糸を使い壁から正守たちを引っ張り出す。勢い良く飛ばされる正森たち
「頭領ご無事で!!」みんな駆け寄って来る時子は離れて見てる。ジジイ(やっぱり時子にゃかなわんな…)
良守「痛…んだよ、今の…」閃「受身とんねーからだよ。」良守「んなヨユーあるか!!」
時音が離れて良守を見つめてて
終わり。