煽り:勃発、「早坂の乱」!!
銃を構える早坂の部下に取り囲まれた
弥子・ネウロ・望月
今回の事件にはネウロが求める「謎」が無い
逆に・・・
私たち自身が「謎」の中に組みこまれようとしているのだ
腹もふくれずこうして危険にさらされて・・・
今 ネウロは何を考えているのだろう
(・・・でも私はともかくコイツは・・・
銃ぐらいなら問題にしないんだよね・・・)
魔人探偵脳噛ネウロ 第42話 下【ぶか】
扉絵
アオリ:我輩の罪は貴様のもの。貴様の罪も貴様のもの。
野球のユニフォームを着たネウロ・弥子・吾代。
窓ガラスにボールの飛び込んだ跡が3つ
一人で三人分怒られている吾代。帽子を脱いで正座している。
望月「何をしてるかわかってるのか早坂ァ
こんな大型で大量の銃器… 麻薬などよりはるかに足がつきやすいぞ!!」
早坂「わかってないなあボス… だからこそ高値の需要があるんですよ!
まあまあ 少しの間だまっていて下さいよ ここまでうまくいった計画だ
探偵さんにもちゃんと説明してやりたいんです
情報を扱っている人間が こういう取引に手を出す一番のメリットは…
なにより事前に警察の動向を知れる事だ 我々のように信用を得た会社ならなおさらね
今回のこの大型の取引は 悪いことに警察にマークされていた 全体的に警戒が強化されていたんだ
こちらとしてもなんとかマークを外してから荷上げしないといけない …そこで我々は情報を操ることにした
その時入手したのが 他の組織が近いうち同じ規模の… 麻薬の取引をしようとしてる情報だった
そこで我々は そいつらの一方… 受け取る側のフリをして 取引日を我々と同じ日にズラさせた
警察の目をそちらに向けるためにね 双方のボスの声 喋り方 合言葉… 情報は全て入手済みだ なりすますのは簡単だったよ」
場面が変わって吾代vsユキ
ユキ「ハハハハなんだよ!! えらそーなこと言っといて…
結局全然俺の攻撃見えてねーじゃねーか!!」
吾代(痛ってー… 相変わらず何してんのかさっぱりわかんねー…
何だっけ… アイツが何かヒント言ってた言ってたよな…)
ネウロ「警戒すべきは… 手と内側と後ろと下だ」
吾代(そんなんでわかるかァ!!)
ユキ「ホラ!! どんどん傷は増えるぜ!! アニキの期待通り半殺しにするまでな!!
上司と部下の信頼関係はてめーらの比じゃねぇッ!!
震えも起きねー苦痛の中で… 身を以て思い知りなァ!!」
場面は早坂・ネウロたちに戻る
早坂:「だけど1つ問題があってね このやり方だと・・・当日の彼らの取引が成立しないんだ」
ネウロ:「なるほど!!なにせ受け取る側はあなた方が成り変わっているのだから・・・
当日にいけるはずもありませんよね!
そこで受け取り人の罪を着せる替え玉として・・・この我々に目をつけた・・・」
早坂:「当たり!!探偵桂木弥子にはその能力への評価がある そのくせ 世間は君達の事をよく知らない
世間から見れば我々と君達は同じ人種だ 情報を集め 操る力のある人間だ
そこで我々は 1つの設定を用意した・・・
『望月信用総合調査が入手した情報では・・・探偵桂木弥子が・・・高い知名度と情報収集能力を間違った方向に使い・・・
麻薬取引に手を出している!!』
『我々は事の真偽を調査するために・・・
桂木弥子への接近を試みた!!』
『広告塔になってくれという名目で!!』
『彼女と付き合ううちに取引の実態が浮かんできた!!』
・・・証拠については頑張って私が捏造(つく)ったよ 今ごろ部下が君の事務所に仕込んでるはずさ」
早坂:「『そして 取引情報をつかんだ我々は警察へとリークした!!』・・・というストーリーさ
警察がその取引を調べるスキに・・・我々は自分の取引をこうして終え
警察が捕まえてみれば なんと あの桂木弥子だ!!
そして事務所からは取引の証拠 君等に言い逃れはきかない」
警察にとって情報源である我々の信用は高まり・・・
より組織の内部へ食い込める
そして 君達に近づく目的で流したCMの真相がわかるにつれ・・・
世間は我々の能力と調査戦略に驚愕する
それは 普通のCMの 何倍もの効果を生むさ」
早坂「・・・とまあここまでが・・・私と 一応ボスとで作った計画だったんだが」
望月「そっそうだ!!だがこんな銃火器まで買ってるとは知らないぞ!!
貴様 育ててやった恩をアダで返すつもりか!!」
汗を浮かべながら笑顔で言う望月の口に、早坂は銃器の先を突っ込む
青くなる望月
望月:「モガッ」
早坂:「ボス 部下はね 自分より無力な上司にはついて来ない
自分の『底』という情報は・・・決して部下には見せてはならない
・・・そう教えてくれたのもあなたですよ」
回想
海?にうつ伏せに浮かぶスーツ姿の死体
望月:「・・・見たまえ早坂 彼はかつて数百の人間の上に立った男だ
部下の情報を把握できず 自分の『底』」もさらけ出した
その末路がこれだ」
早坂:「はい」
望月:「違う違う その顔じゃダメだ」
望月の輝く笑顔。両手の人差し指で、自分の口の端を上げてみせる。
望月:「とりあえず笑いなさい 我々情報を扱う人間は・・・どんな大事な人であろうと
素の顔は見せちゃだめだ
笑顔の鎧をまとうんだよ 早坂」
早坂:「・・・はい」
早坂の目は隠れていて見えないが、言われたとおり笑おうとしている。
回想 終わり
早坂:「この会社をここまで大きくしたのは・・・あなたが笑顔を教えたこの私だ
これからはこの会社の舵は私が取る」
早坂の笑顔がいびつに歪んで伸びている。
早坂:「記念すべき1つめの議題は・・・
あなたと その探偵さんたちの処理についてだ」
場面転換 吾代VSユキ
ガシュ ユキの手とともに何かが吾代の肩に刺さる。
顔をしかめつつ、ガシッとその手を掴む吾代
ユキ「!!」
吾代「…やっぱ謎ときなんざめんどくせーわ
てめーにはどうせ俺を殺すことはできねーんだ
大事な兄貴の半殺しにしろとの命令だからよ
…だったら話は早ええ」
吾代の肩に何かが刺さっている
吾代「1回喰らっちまえば済む事だ」
吾代の肩に刺さった釣り針がアップに
吾代「ガラスの釣り針…なるほどねぇ…
ゲリラがトラップとかに釣り針使うって聞いた事あるな」
吾代「ポケットがコートの内側やら外側やらへつながってんな
裾に隠して相手の前方に伸ばしてから引き切る
そのための丈の長い冬服ってわけだ」
ユキ 「・・・ わかったからどーする?てめーの両手もふさがってんだ
殴ろうと離れた瞬間こいつを飛ばすぜ」
吾代「へッ 俺はてめーと違って隠すモンがねーからよ
凶器はてめーの目の前にあるじゃねーか」
頭突きをする吾代。
早坂達に戻る
早坂「ここにいるのは秘密を守れる私の部下…」
「私の会社にはあとは…事情も知らず私の命令を聞く手足しかいらない」
「せっかく武器もあることだし… 商品テストに試し撃ちといこうか」
望月「ヒッ」 望月に銃が向けられている
早坂「ボス 警察OBのコネだけが武器のあなたは もう必要ない」
「あなたは行方不明といきますか 私に後釜を託したうえでね」
「そして探偵さん達」 弥子の微妙な表情
「取引を君らは失敗した代償に…相手組織にハチの巣にされ港に浮く」
「そして事務所からは取引の証拠… これで全てつじつまが合う」 余裕の笑顔なネウロ
ここは実際に絵を見てもらうしかないと思うが…
1コマ ネウロ、弥子の背後に銃を構えた早坂の部下達
早坂「どうだね? この臨機応変な判断力 まさに私こそが」
2コマ 全員ネウロに前を見たまま殴られる
「理そ
う
3コマ 笑顔で殴ったり部下同士の頭をぶつけ合ったりするネウロ
の じょ
う
4コマ 部下達が吹っ飛んで〆に弥子のほっぺをデコピン 吹いてる弥子
司 」
早坂 「(↑前ページからの台詞続き) だ…ろ…?」
早坂の背後の壁に、ネウロに倒された部下が吹き飛び、激しい音を立ててぶつかる。
その様子に口を開いたまま唖然とする望月、弥子もとばっちりで殴られて赤くなった頬に手をあててあぜんとしている。
表情の読めない、口だけアップのネウロが言う。
ネウロ「…フー…
理想の上司ひとつを語るのに…
ずいぶんと余計な御託を並べてくれたものだ」
早坂 「……な!?」
ネウロ「人材の引き抜きひとつできない男が
何をえらそうに」
ネウロ「従う価値のある主人のもとなら
〜ここでユキを見下ろしているらしい吾代がクローズアップ〜
黙っていても奴隷は仕事をこなしてくれるのだ」
ネウロ「さあ どうする?
貴様の忠実な部下とやらは何の仕事もできなかったか…
貴様1人でまだ何かできるのか?」
不適に笑う、ネウロ。
早坂 「黙れッ!!
おまえ等(ら)ぐらい私1人で片付くさ!!」
右手にランチャー持ちながら、左腕に抱えた銃を撃つ、早坂。
身体中に銃弾を受けるネウロ。
ヤコ「! ネウロッ!!」
一瞬、呆然としたような表情をするネウロ。
しかし次の瞬間には不敵な笑みを浮かべていた。
ネウロ「フハハハハ まだ気づかないのか?
だます相手を間違えたことに」
ネウロ「貴様の計略に付き合ってやるのもここまで
さて…その最後の希望の一発も撃つがいい
それを外した瞬間から…
我が輩は貴様等を好き放題に支配する」
早坂「くッ…!!」
煽り:ネウロ…やっぱりちょっと怒ってた!? さあて、今こそ見せよう、けっこう本気の“お仕置き”を!!