・・・そこで回想が終わる。
「だから学費のいらない高校に行って
プロにスカウトされるためにここにいるんだよね。
だけどさ・・・今もし母ちゃんが死んじゃったらこんな事
何にもならないんだよ」
そう無汰は告げる。
重い表情の埼玉選抜の面々・・・。
「オレは泥水をすすって生きても構わん
プロの選手にならなければ・・・
その為にはここ(甲子園)を離れるわけにはいかんのだ」
と続ける屑桐。
それを聞いた御柳は
「・・・・・そうだったのか・・・
屑桐さんがひたすらストイックに野球に取り組む人なのは
そんな事情が・・・
この人はそんなデケエ重荷を抱えながらずっと野球を・・・」
と心の中で考える。
こいつが少ししゃべりすぎたが気にするな
さあみんなもうベンチに戻るんだと主将らしく指示するが、
御柳は・・・いやだねと拒む。
それに驚く屑桐。
正直今のアンタじゃ全然使い物にならねっすよと言う御柳に屑桐はもう一度言ってみろと怒るが、
さらに御柳はだからアンタはそこのガキ連れて埼玉帰れってんだと続け、
後はオレ達に任せろよ!!と大ゴマで華武3人の姿が。
アンタが帰ってくるまで埼玉の負けはありえねーよ、
こっから華武の力を全国に知らしめる気(^_^)v
屑さんは何も気にせずお母さんの所に行ぐといいングと頼もしい。
そんな後輩達に屑桐は出す言葉がない。
するといい後輩達じゃないか、ピッチャーは交代すると監督が現れる。
「お母様に会えないままもしもの事があれば君は
野球などでは償えないほどの後悔を背負って生きていくんだよ」
さらに一戦抜けた位でプロ入りの道は閉ざされやしないさ、
お母様の無事を見届けたらまたここに戻っておいでと続ける。
その後屑桐はバッグを持ち大ゴマでみんな 恩に着る・・・と頭を下げる。
屑桐君に何と疎まれようと僕が責任をもって君のいない埼玉チームをまとめていくよ・・・
そういう牛尾に屑桐はフン・・・キサマに務まるのか万が一負けでもした時は覚悟しておけと返す。
通路を歩き出し角に差し掛かった所で
「聞いたぞ・・・帰るんだってな屑桐よ」
と声がしその声主を見て驚く屑桐。
「フ・・・以前3軍に降格されてからこの日まで地獄を見て来たぜ・・・
テメエ等の埼玉チームが結成されてからもオレは強化特訓を続け・・・
プライドを捨てて埼玉代表監督にもアピールしてきた
相変わらずテメェの2番手ってのには不服だが
丁度いい機会が出来たようだな
テメエが抑えられなかったチームをこのオレがねじ伏せる・・・・・
おあつらえ向きの状況って訳だ
テメエがあとでここに戻ってきた時はもうテメエの席なんぞ残ってねーかもな」
と告げられる。
その姿はうすく影がつき顔がはっきりと見えない。
屑桐は薄笑いを浮かべながら言ってろ・・・とこぼすが
その後まじめな顔で後は頼むぞ・・・と心の中で思う。
試合は5回裏に突入しこれから誰が投げるんだろと疑問の兎丸。
辰羅川が犬飼くんはこの試合は難しい・・・
すると村中氏か中宮氏か・・・?と考えていると、
マウンドには左目に十字傷を負った師仙の姿が・・・
辰羅川や猪里達は髪が短くなってる!、雰囲気が変わった!など驚く。
「華武の下克上合宿から唯一人生還したその成果・・・見せてやるぜ」
アオリ復活せしはダイバースクリューの遣い手師仙刃六!!
以下次号