日経エンタ最新号、久保帯人インタビューより。
●まさにジャンプの看板漫画になったBLEACHですが、今まで振り返ってみてどうです?
久:んーと……みんなが俺の描いた漫画を面白いって言ってくれるのは嬉しいんだけど(苦笑)。
●━━何かご不満でも?
久:さっき"看板漫画"って言ったよね?そのことにも関係あるんだけど、
最近ただの漫画として以上にBLEACHが一人歩きしているというか、何というか。
●━━━と、言いますと。
久:……えぇと、そう、すごいでしょ今。ネットで二次創作とかコスプレとかさ。
まぁ、俺の漫画に限ったことではないんだろうけど。ああいうのは何か違うよね、っていう。
キャラに愛着を持つのはいいけど、度が過ぎるよ。彼らは君らの神様じゃないんだから(笑)
俺は俺の漫画を偶像視してほしくないんだ、うん、断固拒否する。
だって、俺はそんなことしてもらいたくて漫画描いてる訳じゃないんだから。
●でも、人気が出るということはそういう人が増えるということ。むしろ漫画界のこの一種のアイコン化をすすんで引き受けるべきでは?
久:それは違う。だから俺はこうやってこの問題と今もこうしてインタビューを通じて戦っているんだ。
彼らは可哀想だよ、だってそうすることでしか漫画を愛せないんだから。
俺はこのインタビューで、また、俺の漫画自体で
そういうことに気付いてくれるファンが一人でも増えてくれればいいと思うよ。所詮人気漫画の幻想なんだ、って。
純粋に漫画を楽しんで欲しいんだ。キャラは、一般の読者と同じで迷いながら生きてる。だからいくらその中を探したって答えなんか見つからないよ。
●漫画に対して非常に誠実ですね…
ところで許斐先生がこの間、『テニプリ、ナルト、ワンピース、ブリーチが現代のジャンプシーンを変えて、造り上げた。』
とおっしゃってました。ある種の同胞意識を持っているようでしたが。
久:テニプリなんか何にも変えちゃいないさ(笑)
あいつら(許斐氏、岸本氏を指して)は中身なんてない。さっき言ってたアイコン化を自ら望んでるようなヤツだよ。
だから連中の漫画は読まないし、面白いとも思わない。
ワンピースにしたって全く違う方向性の漫画。ただ、尾田さんは描いてる内容が面白いっていうのは認めざるを得ない時があるけどね