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まんカレ通信より:
どんなまんがでも、構成は非常に大切。特にギャグでは、短いペ
ージ数でしっかり読者を満足させなければならないので、綿密な構
成が必要だ!! そこで、今回は『兄ふんじゃった!』を見ながら、
まんがの構成について考えてみよう。
まず、今週のサンデーの97ページを見てくれ。最後のコマで描か
れているのは「避難訓練なのに、ナゼか煙が出ている」という異常
な事態だ。ここで読者は「何で!? 本当に火事!?」と思うだろう。
そう思わせておいて、ページをめくるとテルキヨの兄が魚を焼いて
いる。
これは「めくりの効果」と「ギャップ」をうまく組み合わせた技
だ!!
左(奇数)ページのラストで読者の興味を引いて(これをフリと
言う)、めくるとオチが描かれているパターンだが、小笠原先生は
このパターンを随所に(ほとんどすべての見開きで)使用している
ところがスゴイ!!
次の99ページのラストでは、「それらを踏まえた上で…」と読者
の気を引き、ページをめくると「テルキヨの安全を最優先とする」
と、あり得ないオチを提示する。
101ページのラストでは、読者に「あれ? このダーツ、ちょっと
変だぞ?」と思わせておいて、ページをめくると、すでにテルキヨ
の名前の書かれたプレートが刺さっているというオチ。
103ページのラストでは、兄が「あそこについているのがそれだ」
と読者の興味を引き、ページをめくると非常口のマークが兄のシル
エットになっている。
さらに105ページのラストでは、委員長が「あいうえお順に整列」
するように生徒達に促すと、兄がそれを「待て!」と止め、ページ
をめくると「ていうえお順に整列しろ」とバカ発言。
なんとこの作品は、キッチリすべての見開きのラストでネタをフ
リ、めくるとオチが読めるようになっているのだ!!
ここまで来ると、プロの執念。職人芸と言っていいだろう。
こういったサービス精神と綿密な構成が、作品を面白く演出する
ということを忘れないようにしよう!!