【ヴィンランド・サガ】ネタバレスレッド

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第26話 アルトリウス
護衛を下がらせ、3人だけにしたアッサー。
相手の意図は十分にわかっているが、弱小とはいえ国家の体面というものがある。
対等の立場での取引であることを、下々のものにわからせる必要がある。
アシェラッドもアッサーが話のわかる男だと判断。緊迫感は一気に薄らぐ。

アシェラッドがウェールズ語を話せるなど、十数年来の付き合いであるビョルンすら知らなかった。
ビョルンが知らされているのは、アシェラッドがデーン人であるということ、のみ。
しかしそれも、必ずしも正確でないことをアッサーは知ることとなる。

ブリタニアの軍団総指揮官・アルトリウス。アーサー王の原型とも言われるこの男の、唯一直系の娘。
デーン人のウォラフにさらわれたリディアこそがその女であり、アシェラッドの母。
そしてグラティアヌスもかつて、当時14歳のアシェラッドと面識があった。
かつて白き女神(グウェンフィヴァル)の生まれ変わりといわれた母を連れ、
アシェラッドは彼女の故郷で死を見取るためにやって来た。彼女は不遇だったという。
長いこと愛妾として飼われ、病に臥してからは馬小屋に放り込まれていたとか。

ウェールズで崇拝される偉大な血統の、最後の一人が混血とは。
そう惜しむアッサーに、そこを利用すると続けるアシェラッド。
彼はデーン人の一員として溶け込んでいる。手柄をあげればより高い地位が待つ。
自らが獅子身中の虫となろうというのだ。クヌートなぞ所詮神輿にすぎない。
唯一つの懸念は、アシェラッドがデーン人でもあるという点。どちらの血が強いのか…
アシェラッド「ま そのへんは信じてもらうしかないな」「血の問題は別にしても…」「オレはデーン人がきらいだ」

かくて交渉成立。
あくまで捕虜となったふうを装うため、全装備をブリケイニオグ軍にまとめて預けることに。
これを拒否したのは、ラグナルとトルフィンの2人だけ。
まるで珍獣を見る目で見られる中、領地を移動。
友軍すら計略に組み入れるアシェラッドのウェールズに対する気の使いようにラグナルは解せぬものがあった。
その間、クヌートをお姫サマ呼ばわりしていじり倒すトルフィン。
クヌート「臆病でっ喋らないワケじゃ」「ないんだっ」「そそそそっそなた達とは違うのだ!」「僕は王子だ立場がある!」
     「ぼ僕の発言には政治的な意味が生じるのだ!」「異国においてはなおさらだ!」
     「父王陛下のおゆるしもなく不可侵条約だの不快感の表明だの……」「できるワケがない!」
トルフィン「は」「そこそこマシな言いワケ言うじゃねェか」「オツムは足りてるようだなお姫サマ」
クヌート「こっ……」「こんな無礼者っ はっ 初めてだっ!!」「今まで僕にこんな態度をとる者などいなかった!!」
トルフィン「ならいい経験じゃねーか」
クヌート「先程の発言を取り消せ!」「言いワケではないのだぞ!お前達に王侯の苦労のなにがわかる!」
トルフィン「わめくんじゃねェよ座ってろ」
ラグナル「う〜〜む…」(あの殿下がワシ以外の者と会話なさっている……)(この状態を歓迎すべきだろうか……)

幾日にも渡る行軍の果て。とうとう雪の季節を迎えてしまう。

作者近況
今朝、頭にすごい痛みを感じて目を覚ましたら、ウチの長男が僕の髪の毛をむしっ
てました。枕もとのメガネを手に取るとヨダレまみれでした。お父さんの朝です。